
そんな大尉にルース王国として最後の命令が届いた。
「我が501突撃大隊はこれよりルース王国最後の命令を実行する。残念だが現刻をもって悲劇の英雄として歴史の教科書に載るのはやめにする。給与、手当は保証、ちゃんと満期除隊は用意するので、それまで従って欲しい」
彼らに与えられた命令はただ「生き延びろ」それだけである……。
「戦いにどうしても慣れることができない者、怖くてしょうがない者、人を傷つけることができない者。いくらでもいる。だから自分を責めたりしないでいい」
それが彼が昔自分が言って欲しかった言葉。
いくら自国が平和第一で軍事より経済優先しようとも、周辺国家の性根が腐っていたら元も子もないよね、肥えた豚は食われるだけだよという教訓から始まる逃走劇。良い国でも弱ければ国際社会で生き残るのは難しいのです。
これが逃走で終わるのか、逆境からの逆襲へと転じるところまで辿り着くのか、今後の展開が楽しみです。
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