付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「紅蓮戦記1」 芝村裕吏

2022-07-30 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 軍事費を削減して経済にテコ入れして豊かになったら、周辺諸国が徒党を組んで攻め寄せてきた。かくしてルース王国は滅亡寸前。既に地方の小都市を新王都として立て籠もるところにまで追い詰められていた。まともに戦えているのは14歳ながら史上最高の戦果と功績を挙げた魔術指揮官マクアディ・ソンフラン大尉の部隊のみだが、それも損耗が激しく、大隊が中隊規模にまで落ち込んでいる。
 そんな大尉にルース王国として最後の命令が届いた。
「我が501突撃大隊はこれよりルース王国最後の命令を実行する。残念だが現刻をもって悲劇の英雄として歴史の教科書に載るのはやめにする。給与、手当は保証、ちゃんと満期除隊は用意するので、それまで従って欲しい」
 彼らに与えられた命令はただ「生き延びろ」それだけである……。

「戦いにどうしても慣れることができない者、怖くてしょうがない者、人を傷つけることができない者。いくらでもいる。だから自分を責めたりしないでいい」
 それが彼が昔自分が言って欲しかった言葉。

 いくら自国が平和第一で軍事より経済優先しようとも、周辺国家の性根が腐っていたら元も子もないよね、肥えた豚は食われるだけだよという教訓から始まる逃走劇。良い国でも弱ければ国際社会で生き残るのは難しいのです。
 これが逃走で終わるのか、逆境からの逆襲へと転じるところまで辿り着くのか、今後の展開が楽しみです。

【紅蓮戦記1~天才魔術指揮官は逃げ出したい~】【芝村裕吏】【エナミカツミ】【MF文庫J】【最弱の国に生まれた最強の天才が歴史に刻む、途方もない奇跡の物語】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする