付け焼き刃の覚え書き

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「映像研には手を出すな!6」 大童澄瞳

2022-07-11 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「想像は抱えているだけじゃ、邪魔でしょうがないぞ」
 どんどん妄想して、それをより具体的な形にして残していく、そんな楽しいことやらずに死ねるかと浅草。

 映像研の次の作品は予告編だけ完成していた「マチェット」の本編にしたいとツバメが言い出した。自分が良いと思ったものを他人も良いと言ってくれたらそれは最強。そしたら、誰かが続きを見たいというなら、作らずにはいられないのだ。
 プロジェクトを統括する金森は、今回は今までのようなセリフなし字幕のみではなく、きちんと声優を入れて声を入れていきたいと言うのだが、オーディションで彼女らが選んだ老若男女6人の役柄はすべて1人の少女が演じていた。
 しかしその少女、サクラダ・セキは七色の声を操って詐欺や恐喝をおこなう常習犯だった……。

 百目鬼がバケモノだということが発覚する巻(前巻あたりから予兆はあった)。どちらかというと巻き込まれ型のキャラではあるけれど、エコーロケーションは本物でした。怖いよ。
 「映像研には手を出すな」というタイトルは、何度も場面を変えて繰り返し物語中で語られ、今回もオチ的に語られます。テーマとは別の意味で作品を象徴するフレーズになってますが、こういうきちんと作品に向かい合ってつけられたタイトルは完成度をワンランクアップさせますね。
 あと、よく空想世界パートに突入するシーンがあるけれど、あれが具体的にはどういうことか、外部の人間である百目鬼と桜田の視点で語られます。つまり「非言語的コミュニケーションで脳内のビジュアルを高度に伝えて想像の世界を共有する」ですと!?

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