付け焼き刃の覚え書き

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「救いをこの手に」 長考師

2022-07-18 | 異世界転移・召喚
 個人投資家の辰巳東吾は24歳にして70億を超える資産を獲得しているが、幼馴染みの親友に陥れられたりしたこともあって人間不信。そもそも寄ってくる人間はすべて金目当て。
 そんな東吾(トーゴ)が気がつくと、パンツ1枚で魔物が跋扈する森の中に放り出されていた。そこはゴブリンから各種ドラゴンまで、さまざまな魔物が繁殖し生存競争を繰り広げる魔物の楽園、『魔園(まえん)』と呼ばれる無人島。
 かくして、文明の利器もなく、金や武器どころか服すらないサバイバルが始まった……。

 パンツ1枚というふれこみですが、表紙イラストの段階では獣の毛皮でノーパンになってます。
 突然に魔物だらけの異世界に放り出され、自分に与えられたスキルの活かし方を見つけながらのサバイバル、そして出会った人間たちとの交流から自分の進むべき道を見いだしていく……という基本の筋立ては定番だけれど展開が独特で面白いし、漂着した船乗りや冒険者たちとの距離の取り方が主人公の過去の人間関係を反映して一線引きすぎたり踏み込みすぎたり距離感がちぐはぐで読んでいてハラハラします。
 全体的に痛快なサバイバル。主人公に「救い」はあるのか、彼自身が誰かの「救い」になれるのかという異世界譚で、役者も出そろい続きが非常に気になる1冊目ですが、7年経っても2巻が出ません。ぽにきゃんって営業が弱い気がします。なろうコン大賞とって、bobさんのイラストつけて、原作は(確か)完結していて、なぜ続きを出せない? いつも作品内容に合った、良いイラストをつけるんだけどなあ。
 ちなみにどうして(確か)という表現をするかというと、作者がなろう退会でウェブ版データが消えていて、その後、他のサイトに移転した気配がないからですね。面白い話はまずダウンロードして、データをバックアップしないといけない時代です。雑誌連載と違って、ウェブ連載や電子書籍はあっさり消えちゃうんです。
 でも、ラストの巨大モンスターバトルは観戦の様子も踏まえて絵でも見たかったです。

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コメント
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