
誇りを傷つけられ、生きている意味さえ見失いかねた時、それでも自分に誠心誠意仕えていてくれる侍女のために死ねないとベルティーヌは考えたのだ。それは彼女が強いからではない。
容姿こそ王国民ではあったが、ベルティーヌは今では誰よりも南部の民に溶け込んでいた。偏屈で警戒心の強い奥地の民ですら、彼女のためには手を出し足を運ぶ。彼女のやり方は、南部の人間には価値を見いだせなかったものに価値を見つけ、正しく評価されるようにすることだ。現地の人間には、自分たちが普通に食べているものや見ている光景にどれだけの価値があるのか分からないのだ。そして少々お人好しの面もある。
そんな異境の地で働き続けながら人々のネットワークをつなげていく彼女に、連合国のセシリオ将軍や帝国の第二王子や皇弟が惹かれ始める……。
行き場のなくなった娘が自分の居場所は自分でつくると腹をくくったことから始まる、全二巻での国家ざまぁ。
知られざる才能の開花で逆境からの逆転、初対面での対立から始まる恋、そしてクライマックスに向けて集結する仲間たちと、定型のお話をスルリと読ませる、商売と恋の物語。
絵としても巧いイラストがしっかり物語をサポートして面白くしてます。そうだよ、これが挿絵というものなんだよ!
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