「債務者の身辺調査は金貸し屋の基本なんで！」リューは満足げ。
借金の形の取り立てに怪しげな研究室に足を踏み入れた極道は、胡散臭い魔法陣を起動させてしまい、そのまま不審死したあげく異世界転生してしまった。
天涯孤独で生きてきた男だが、今度の家庭は貧乏貴族ながら家族仲は良く、暖かだった。この家族を守るために彼は一肌脱いで前世知識をフルに活かすしかない。かくして騎士爵家の三男であるリューは、未知のスキル《ゴクドー》と前世の裏稼業知識を活かして次々に新たなシノギを軌道に乗せていく……。
任侠系の転生ものはちょこちょこあるけど、こちらはインテリ系の『裏稼業転生』。仲の良い辺境貴族の家に転生し、やってることはごく普通の現代知識による殖産チートやチートスキルによる魔物退治なんだけれど言葉の端々、行動の選択肢にカタギ（家族）とかシノギ（領地経営）とか前世が垣間見えるのが面白さ。なので物語的には王道の「よくあるパターン」なのに、主人公視点になった途端に胡散臭くなる不思議が魅力です。
ただ、キャラ名とか地名とか名を体を表すスタイルなので、ここで受け入れられない人はいるかも。ただ、似たような話が多い中、長男のタウロに次男のジーロ、凄く偉い寄親のスゴエラ辺境伯とか一周回ってわかりやすいのがカッコよくないですか？
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