付け焼き刃の覚え書き

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「メイルゲーム完全ガイド」 光栄ゲームパラダイス外伝

2008-07-20 | エッセー・人文・科学
 干支を一回りした、もう骨董品である。
 本書は「メイルゲーム」はチェスの郵便対戦を含めた「PBM」から派生したジャンルと定義し、その遊び方や内容紹介、解説等をおこなったもの。
 1995年発行の本であり、メインの特集に組まれているPBMはいずれも過去の作品となってしまったが、今読んでもけっこう面白い。面白いというのは、そこでの作り手側の問題意識の焦点がインタビューや寄稿などから読みとれるからですね。

 「PCの行動成果がハッキリしていることが、初心者に優しいということだ」「いつでも新鮮に、常に変わっていきたい」「ゲーム性を売りにしたゲームがあってもいいじゃないか」という遊演体。
 「シナリオやメッセージ性よりも、プレイヤーのやりたいことをやらせることが重要」「相手を蹴落とさないと勝利できないゲームはつくりたくない」というホビーデータ。
 「テーブルトークRPGの感覚を持ち込みたい」「PCの成長を演出したい」というコスモエンジニアリング。
 「しっかりした作品を作れば、どんなメディアにも通用する」「プレイヤーがシナリオに及ぼす影響は凄い」というエム・ツー。
 「絵を豊富に、視覚に訴えていく」「入りそうな要素はすべて詰め込む」というガデスレーベル。
 語った人間が今も同じ会社にいるとは限らないし、会社の方針も常に変わっているかもしれないし……今となっては大半が消えたか撤退しているわけです。
 でも、まあ、一見当たり前のこうした事柄について、この時期に彼らが“それ”を語ったということが重要なのです。
 そして最後に門倉直人氏による寄稿が掲載されています。
 「大人数を扱うのでシナリオのコントロールが難しいし、個々のキャラの描写も希薄になるという声もあるが、ネットゲームにおいては大人数であること自体が強みであり存在価値なのだ」「物語が“与えられる”ことと“創られる”ことは違う」「リアクションを読んだときに、“自分自身が参加し体験した、もう1つの現実である”と感じられることが理想なのだ」…。

 PBM、メイルゲーム、ネットゲーム、郵便遊戯について語ろうというなら、この最後の寄稿だけでも、古本屋の立ち読みでも良いから一読しておいて欲しいと思いますね。

【光栄ゲームパラダイス外伝】【メイルゲーム】

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