付け焼き刃の覚え書き

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「勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(上)」 七沢またり

2018-02-22 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「人間にとって、一番大事なのは誇り。飢えようが人を殺そうが、それを失わなければ立派な人間よ」
 それを無くしたらただの哀れな獣、外道に落ちて魔物となると勇者。

 魔王との戦いの際、魔物と戦い続けた勇者は仲間から化け物と呼ばれ、見捨てられ、それでも戦い続けた。
 それから500年。
 3人の勇者と魔王の戦いは伝説となり、地上から魔物は消え、ただ1つの迷宮に魔物が巣くっているだけになっている。そんな迷宮のあるアートの街に1人の少女が姿を現した。
 記憶をなくして名前も分からない少女は、自分はただ勇者であると名乗った……。

 魔物を殺すことだけが存在意義だという少女が、ひたすら魔物を殺して殺して殺し回るだけの話で、一見、普通の迷宮探索ファンタジーのフォーマットになっているので、エンタープレインから刊行されている3作品の内ではいちばん取っつきやすい気がします。
 幻想と狂気、信頼と裏切り、認められることのない戦い。迷宮の街に跋扈する戦士や傭兵孤児、教会の衛士や異端審問官、暗く重い世界に不安定な主人公。のほほんとして今いち頼りにならない、さもなくば暴走して制御できない戦士、死体を操る魔法使いに性根のねじ曲がった学者と、誰1人として単独ではハッピーエンドなんか絶対無理という登場人物が、4人そろうとなんとなく、このメンツならなんとかなるかもしれないと思えてくるところが不思議です。

【勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(上)】【七沢またり】【おぐち】【エンターブレイン】【死して屍拾うものなし】【セイコウは失敗の元】【ギルド】

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