付け焼き刃の覚え書き

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「勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(下)」 七沢またり

2018-02-23 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「どんなに強くても孤独には勝てないのよ。誰からも相手にされず、誰も相手にせず、それってもう死んでるも同然じゃない」
 死霊使いの魔術師エーデルの言葉。

 1人で戦い続けていた勇者にもいつの間にか仲間ができていた。
 勇者の徒党に加わるのは、松明鼠の群(死体)、凶戦士、学者、死霊術師、邪妖精(死体)と、どう見ても邪教徒の尖兵だが、その頃、この街を支配し、大陸各国にも大きな影響力を持つ星教会の内部では、500年前の勇者が残した予言を巡って内部抗争が起きようとしていた……。

 性根が腐っているやつはとことん腐っていて救いようがないという話。
 禍福はあざなえる縄のごとしという言葉を体現するような、緩急つけて二転三転するストーリーで、最後は敵も味方も、行きずりもごく親しい人たちも、それぞれ因縁ある人々が集まっての大一番。上手くて面白いエンターテイメント。もうちょっと幻想譚的な方向にぶれるかと思いきや、王道路線でまっしぐらなのが気持ちいいです。
 文句があるとすれば、少し分厚くて持ちにくいので、上下巻ではなく3巻本にはならなかったのかなあということくらい。
 購入した下巻には封入のショートストーリーがついていて、こちらは前作『死神を食べた少女』とリンクする形の前日譚。

【勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(下)】【七沢またり】【おぐち】【エンターブレイン】【死体】【白いカラス】【ドラゴン】

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