付け焼き刃の覚え書き

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「ゴジラ×コング:新たなる帝国」 監督:アダム・ウィンガード

2024-05-31 | 怪獣小説・怪獣映画
「わたしたちは、何があってもはなれない」

 地上世界をゴジラが気ままに暴れ回る中、未確認生物特務機関モナークは予算確保と広報活動に奔走していた。そんなことはないと知りつつも、ゴジラは人間のために他の怪獣を退治して回っているのだと言い続けるしかない。
 同じ頃、コングは広大な地下空洞を仲間を求めて彷徨っていたが、その体調は不調だった。本調子にならない。左の犬歯が虫歯になっていて集中できないのだ。たまらず治療を求めて地上に這い出てきたコングを、モナーク専属の獣医トラッパーが治療することになるのだが、コング不在の地底世界では大地が崩れ、さらに地下に広がる空間が出現していた……。

 地上と地下空洞を、北極からフランス、リオデジャネイロまで転戦し、ピラミッドが更地になるまで複数の怪獣が大暴れする大怪獣映画。そんな地球の裏表を駆け回るワールドワイドな映画なのに、なんかこぢんまりしたチンピラ映画みたいな印象が残るのは敵キャラでたぶんラスボスにあたるスカーキングのせい。強さだけなら中の上位なのに、猿知恵を働かせて格上のキャラを手足に使う中ボスとかいますよね。そんな感じ。たとえるなら「超時空要塞マクロス」終盤のカムジン・クラス。
 そしてコングタイプの巨大類人猿ばかりが画面にあふれると遠近感が狂って『猿の惑星』でも観てる気分になってきます。一緒に観に行った妻は「絶対、本当のラスボス、裏ボスが出てくると思ってた」と言ってました。同感。
 でも、映像は迫力あったし、115分があっという間だったのは確か。
 人類言語学者アンドリューズ博士と陰謀論者のバーニー・ヘイズが代わる代わる裏設定と科学的解説を早口で説明してくれるので、ぼんやり視ていても何が起きているか、起こるかは分かります。そして、ゴジラとコングのケンカはモスラの姉御が仲裁してくれます。でも、音楽的にはノスタルジックな面白みはなし。マハラモスラとかファロ島原住民の祈りの合唱とかあれば良かったのに、イーウィス族は地底世界でも寡黙です。

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