「ぺとぺとさんＶ」 木村航

　『ぺとぺとさん』には短編集が似合うと１作目が出た時から思っていました。ＰＢＭのリアクションにも似て（実際はまったくの別物なのはいうまでもないけれど）個性豊かなキャラクターがぞろぞろと登場するからです。長編ではどうしても主人公たちの陰に隠れてしまい、読んでいて不完全燃焼になってしまう。このキャラがもっと活躍する話を読みたいと。
　できれば連作短編で登場人物たちに読者を馴染ませた上で、骨太な長編を……って、これは富士見ファンタジア文庫の戦略か……。
　とにかく、ちょっとひねりのきいたパラエティ豊かな短編集が刊行されました。始めて読む人は、できればこちらを読んでから欲しいかなと思います。

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