ミステリの女王アガサ・クリスティーの生んだ名探偵といえば、気取ったベルギー人探偵ポワロとヘイスティングズ大尉のコンビ、セント・メアリ・ミード村在住の老嬢ミス・マープルが双璧なのだけれど、これにトミー&タペンスと共に続くのが正体不明のハーリ・クィンとサタースウェイトのコンビです。
クイン氏はまさにハーレクイン。サタースウェイト氏の目前で不可解な事件が起きたとき、あるいは人間関係に理解しがたいほころびが生じたとき、どこからともなく現れてはその言葉でサタースウェイト氏に真相に至る手がかりを与えます。突如現れる道化役者として、人生の観察者を自認するサタースウェイト氏の背中を押すだけで彼自身は何もしないのです。
ハヤカワと創元からそれぞれ何度か訳を変えて刊行されていますが、自分の初クイン氏は1971年の創元推理文庫版の一ノ瀬訳。今となってはやや古めかしい言い回しが多いかもしれませんが、ミステリアスな探偵にはその方が似合う気がします。たとえば「海から来た男」の最後のセリフと地の一行、ちょっとした言い回しの差ではあるけれど創元版の方がちょっと不気味なんですよね。
【謎のクィン氏】【クィン氏登場】【窓ガラスに映る影】【〈鈴と道化服〉亭奇聞】【空のしるし】【クルピエの真情】【海から来た男】【闇の声】【ヘレンの顔】【死んだ道化役者】【翼の折れた鳥】【世界の果て】【道化師の小径】【アガサ・クリスティー】【ハヤカワ文庫/クリスティー文庫】【幻想味あふれる珠玉の連作短篇】
クイン氏はまさにハーレクイン。サタースウェイト氏の目前で不可解な事件が起きたとき、あるいは人間関係に理解しがたいほころびが生じたとき、どこからともなく現れてはその言葉でサタースウェイト氏に真相に至る手がかりを与えます。突如現れる道化役者として、人生の観察者を自認するサタースウェイト氏の背中を押すだけで彼自身は何もしないのです。
ハヤカワと創元からそれぞれ何度か訳を変えて刊行されていますが、自分の初クイン氏は1971年の創元推理文庫版の一ノ瀬訳。今となってはやや古めかしい言い回しが多いかもしれませんが、ミステリアスな探偵にはその方が似合う気がします。たとえば「海から来た男」の最後のセリフと地の一行、ちょっとした言い回しの差ではあるけれど創元版の方がちょっと不気味なんですよね。
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