桜祭りに一般市民でにぎわう米軍横須賀基地。そこに突如として海底から這い上がり襲いかかってくる巨大甲殻類の群れ。拳銃弾すら弾く甲羅を持ち、巨大なハサミを振りかざす海底生物レガリスに、人々はむさぼり食われていく。
「武器使えないんだよ、災害出動じゃ。法律でそうなっている」
停泊中の海上自衛隊の潜水艦きりしおに逃れた十数名の子供たちと自衛官2名は果たして脱出できるのか。そして市街地に侵出したレガリスを警官隊は食い止められるのか……?
電撃でデビューし、いきなり2作目『空の中』をハードカバーで刊行した有川浩の3作目『海の底』です。カバーデザインだけなら、一般文芸に混じっていても見分けがつきませんし、区別する必要もありません。結局、『十二国記』に限らず、「ライトノベル」で大雑把にひとくくりにされてしまう若年層をターゲットにしたレーベル作品の中にも、パッケージ次第でもっと広い層に自然に受け入れられる作品が幾つもあるというだけです(ライトノベルが実は大人向けとか高尚とかくだらないレッテル貼りはムダだけれど、パッケージで食わず嫌いはもったいないというだけの話)。
内容的には『空の中』と同じ怪獣物。昔なら香山滋とか福島正実あたりが書きそうなテーマを、人間描写にも力を入れつつ現代のテクノロジーと構成で書き込んだもの。深海生物学者の芹澤斉という人物を出しているのも確信犯(ただし眼帯にあらず)。
解決の鍵はただ1つ。怪物の生態でもなんでもありません。法律の壁。そして自分たちの行為は単なる伏線に過ぎないと知りつつ、それでも何万と群がり来る怪物に通常装備だけで立ち向かう機動隊員たちの姿。その漢っぷりに泣け!
【海の底】【有川浩】【潜水艦】【怪獣】【機動隊】【捨て駒】
「武器使えないんだよ、災害出動じゃ。法律でそうなっている」
停泊中の海上自衛隊の潜水艦きりしおに逃れた十数名の子供たちと自衛官2名は果たして脱出できるのか。そして市街地に侵出したレガリスを警官隊は食い止められるのか……?
電撃でデビューし、いきなり2作目『空の中』をハードカバーで刊行した有川浩の3作目『海の底』です。カバーデザインだけなら、一般文芸に混じっていても見分けがつきませんし、区別する必要もありません。結局、『十二国記』に限らず、「ライトノベル」で大雑把にひとくくりにされてしまう若年層をターゲットにしたレーベル作品の中にも、パッケージ次第でもっと広い層に自然に受け入れられる作品が幾つもあるというだけです(ライトノベルが実は大人向けとか高尚とかくだらないレッテル貼りはムダだけれど、パッケージで食わず嫌いはもったいないというだけの話)。
内容的には『空の中』と同じ怪獣物。昔なら香山滋とか福島正実あたりが書きそうなテーマを、人間描写にも力を入れつつ現代のテクノロジーと構成で書き込んだもの。深海生物学者の芹澤斉という人物を出しているのも確信犯(ただし眼帯にあらず)。
解決の鍵はただ1つ。怪物の生態でもなんでもありません。法律の壁。そして自分たちの行為は単なる伏線に過ぎないと知りつつ、それでも何万と群がり来る怪物に通常装備だけで立ち向かう機動隊員たちの姿。その漢っぷりに泣け!
【海の底】【有川浩】【潜水艦】【怪獣】【機動隊】【捨て駒】
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