「遙か凍土のカナン（３）」 芝村裕吏

『軍人は戦場でのみ勇敢であればいい。平時で勇敢なら、ただの横暴である』
　新田良造は逃げ出した。

　新田とオレーナの一行は古代の交易路を踏破しウクライナを目指すが、その途上、湖畔の石室で天使と名乗る１人の女と出会った……。

　ジブリール28歳。
　あいかわらず語られなかった行間を読まないといけない話ですが、ジニはいつでもジニだなあと思う反面、レナの闇と“通りすがりの女”になってしまったジブリールの行く末に不安。新田を籠絡するのにまるまる１冊使ったというか、金髪の悪いジンの伝承が村に定着するための物語。
　『マージナル・オペレーション』は３巻ともなると話の方向性が見えてきましたが、この話は「寄り道の終わり」と言いつつも、どちらに向かうかなかなか予想が難しくなっています。
　ジブリールたちの逆襲はあるやいなや。

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