付け焼き刃の覚え書き

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「赤き死の訪れ」 ポール・ドハティー

2008-12-11 | ミステリー・推理小説
 14世紀のロンドンを舞台に、呑んだくれの検死官ジョン・クランストン卿と、貧乏教会を預かるアセルスタン修道士が殺人事件の謎を解くシリーズ第二弾。

「悪事は意志をむしばみ、魂を腐らせ、理性の部屋や廊下を汚す」

 騎士修道士ジェラード・モーブレイ卿。

 今回は、ロンドン塔を舞台にした連続殺人。川も凍るような、クリスマス直前の寒さの厳しい時期に、ロンドン塔の城主が殺されたのを皮切りに、1人、また1人。
 しかしクランストン卿もアセルスタン修道士も、それぞれに問題を抱えていて、なかなか事件に専念するというわけにもいきせん。

 地味ながら、1冊1冊が楽しみなシリーズです。当時のシティの光景や風俗が伝わってくる描写がお気に入り。冬の夜に凍死する罪人、氷が割れるテムズ川、肥える金持ちにやせ細る農民と、まあ、当時の情景が映し出されていきます。

【赤き死の訪れ】【ポール・ドハティー】【十字軍】【密室殺人】【復讐譚】
コメント
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