many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

にょっ記

2010-12-12 23:13:21 | 穂村弘
穂村弘 2009年 文春文庫版
きのうまでとは全然関係なくて。
私の好きな歌人、穂村弘のエッセイ。
「別冊文藝春秋」に連載してたらしいけど、(ヘンなタイトルのとおり)日記の形をとっている。
でも、あいかわらず著者得意の妄想系(?)の物語がいっぱいあるんで楽しい。
たとえば、「お~いお茶」のラベルを見てるうちに、「お~い」と「お茶」の筆跡が全く違うことに気づく。
「お~い」を書いたところで高齢の書の大家が力尽きて、「お茶」は後を託された弟子が書いたんぢゃないかとか。笑う。
短歌では、日常をカメラのシャッター押すかのように切り取ってみせてくれるんだけど、エッセイについても同じキレがある。
短い一章を丸ごと引用してみちゃいましょうか。
「9月13日 現実」と題された一節。

電車のなかで会社員らしい男女が話をしていた。

男「じゃあ、禿と毛むくじゃらだったら、どっちがいい?」
女「禿イコール毛むくじゃら、なんですよ」

車内の空気が耐えられないほど張りつめる。

おかしい。
コメント
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