安部公房 昭和51年 新潮文庫版
もってるのは昭和58年の16刷。発表は昭和42年。
長編といっても、それほど長くない。文庫で160ページほど。
語り手は、なんだろう、放送作家でいいのかな、ラジオの30分番組「こんにちは火星人」の脚本担当。
本気で火星人がいるとは思ってやしないんだが、いよいよ本当に探査ロケットが火星に到着しようかという時勢を迎え、そうなると番組もやりにくいなあと思っている。
そこへ、自宅に「火星人のことで相談したいことがある」と見知らぬ男が訪ねてくる。
面会してみようかと思うと、ちょうどそのとき女性から電話がかかってきて、お宅を訪ねているのは主人だが、3日前に退院したばかりの分裂症で、追い払ったりすると狂暴性を発揮するかもしれない、なんて言う。
しかたなく、その女性が迎えにくると言うまでの30分間程度、暴れないように話を聞いてやることにする。
男は、「じつを言うと、ぼく、普通の人間じゃないんです。火星人なんですよ。」と言い出す。
ハイハイって聞いてやると、そんなこと言われて疑わないなんておかしいとか、妙にからんでくる。
いったいこいつは何者なのか、目的はなんなのか。疑心暗鬼に陥りながら話をつづけていると、おかしいのは敵なのか自分なのかわからない迷路にはまりこんぢゃう。
もってるのは昭和58年の16刷。発表は昭和42年。
長編といっても、それほど長くない。文庫で160ページほど。
語り手は、なんだろう、放送作家でいいのかな、ラジオの30分番組「こんにちは火星人」の脚本担当。
本気で火星人がいるとは思ってやしないんだが、いよいよ本当に探査ロケットが火星に到着しようかという時勢を迎え、そうなると番組もやりにくいなあと思っている。
そこへ、自宅に「火星人のことで相談したいことがある」と見知らぬ男が訪ねてくる。
面会してみようかと思うと、ちょうどそのとき女性から電話がかかってきて、お宅を訪ねているのは主人だが、3日前に退院したばかりの分裂症で、追い払ったりすると狂暴性を発揮するかもしれない、なんて言う。
しかたなく、その女性が迎えにくると言うまでの30分間程度、暴れないように話を聞いてやることにする。
男は、「じつを言うと、ぼく、普通の人間じゃないんです。火星人なんですよ。」と言い出す。
ハイハイって聞いてやると、そんなこと言われて疑わないなんておかしいとか、妙にからんでくる。
いったいこいつは何者なのか、目的はなんなのか。疑心暗鬼に陥りながら話をつづけていると、おかしいのは敵なのか自分なのかわからない迷路にはまりこんぢゃう。