many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

トウモロコシ畑の子供たち

2013-09-27 19:24:28 | 読んだ本
スティーヴン・キング 高畠文夫訳 昭和62年 サンケイ文庫
二十数年前の新刊だったときに買って読んだ文庫をまた引っ張り出してきた。時の流れに愕然としちゃうね。
それはそうと、このキングの短編集、原本「NIGHT SHIFT」が出たのは、それよりもっと前の1978年だという。モントリオールオリンピックとモスクワオリンピックの間だねえ。
ま、時代背景と小説のなかみは、そんなに深く関連してないから、いま読んでも、特に何これ意味わからんなんてことはない。
「超高層ビルの恐怖」The Ledge
やくざの親分の女房に手を出してしまった男、地上43階の部屋に呼び出された。
うわべだけは紳士的なそのやくざの提案は、この部屋の窓から出て、幅5インチの縁を伝って、建物を一回りできたら、カネをつけて女もくれてやるというもの。
ちょっとダールの「南から来た男」を思い出させるようなドキドキする話で、このなかでは秀逸と私は思う。
「芝刈り機の男」The Lawnmower Man
芝刈り機が人を襲う。
血に飢えたような機械の暴走って、キングはほかにもあったよなあ。なんか安っぽくて好きぢゃない、このてのものは。
「禁煙挫折者救済有限会社」Quitters,Inc.
タバコがやめられない、禁煙が続かないといった人をサポートする会社がある。
その治療法は98パーセントの成功率だっていうんだけど、教えてくれた友人も、その内容は契約書によって他言できないという。
「キャンパスの悪夢」I Know What You Need
『僕、君が欲しいものは、ちゃんとわかっているんですよ』と言って、エリザベスに近づいてきた男エド。
どんな場面でも、たしかに自分のしてほしいことを当ててくるんで、最初はびっくりさせられただけだが、次第に理想の彼氏かと思いこんでしまうんだけど、ある日親友のアリスがエドは危険だと言い出す。
(タイトル、原題のほうがいいよね、キャンパスの悪夢ぢゃ気が利いてない。)
「バネ足ジャック」Strawberry Spring
何年かに一度おとずれる「イチゴの春」と呼ばれる霧の多い季節に、大学のキャンパスに連続殺人事件が起こる。
「トウモロコシ畑の子供たち」Children of the Corn
高速道路を下りて走ってたら、右も左も一面トウモロコシばかりの土地に迷い込んだ夫婦。
そこは、狂気じみた宗教を信じてる、子供だけの国だった。
神の命により、そこでは19歳までしか生きられない(ってことで前回から19歳つながり?)、迷い込んだ大人は子供たちによって追いつめられる。
「死のスワンダイヴ」The Last Rung on the Ladder
兄と妹は小さいころ、よく納屋のなかで、三階の屋根裏部屋の横げたに上がっては、下の干し草の山にダイヴして遊んでた。
ある日、三階に登る梯子が壊れて、妹が宙にぶら下がってしまう危機が訪れたときの回想。
「花を愛した男」The Man Who Loved Flowers
1963年のニューヨーク、夕暮れどきを楽しそうに歩く若い男。
すれちがう誰もが、この青年は恋をしているんだろうな、って思う。
青年は、女の子に贈るための花束を街角で買い求める。
「〈ジェルサレムズ・ロット〉の怪」One for the Road
吹雪のなかで車がエンコして、助けを求めにバーにたどりついた男がいた。
車のなかに残してきた妻子を探しに行くが、地元の男たちはロット村には何かが出るので危険だという。
「312号室の女」The Woman in the Room
入院している母は、痛みに苦しんでるか麻酔剤漬けになっているかという状態、
彼女の苦痛を取り除いてやるべきか苦悶する話。
コメント
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