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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

野武士、西へ

2013-09-05 22:08:26 | 読んだ本
久住昌之 2013年8月 集英社
いや、最近また「孤独のグルメ」のテレビドラマ版のシーズン3とやらをやってんだけどね、録画して観てるわけだが。
そーゆーわけだからとゆーわけでもないが(意味不明瞭)、書店でこの新刊見つけて、おもしろそうなんで買って読んだ。
「孤独のグルメ」(「ダンドリくん」もね!)の原作者で、テレビドラマの最後に実際に店に行く形で出演してる、久住氏が東京から大阪まで歩くっていう企画。
それも、昔の飛脚みたいなカッコして、踏破するスピードを競うみたいなスケジュールを組むんぢゃなくて、「散歩もの」の著書がある著者らしく、散歩=調べない・道草食う・ダンドリしない、で歩こうっていうもの。
東京を出発して、一日で行けるとこまで行く。そしたら、電車でも新幹線でも乗って帰ってくる。で、次回は電車なり新幹線なり乗って、前回行ったとこまで再度行ったら、そこから西へ向けて歩いてく。その繰り返しって話。
律儀なことに、あるところまで行ったら、東京へ帰る利便性から、そこより少し西の駅まで電車なり車なりで行って帰還しちゃった場合、次回は、歩くのやめて電車とか車乗っちゃったとこまで、引っ返してから、歩くの再開したりしてる。こだわるねえ。
タイトルにある「野武士」は、著者の「野武士のグルメ」とかとのつながりだ。
著者の理想の生きざま(?)は、野武士のごとく、知らない町で知らない店にフラリと入っても、「オヤジ、飯だ!」みたいに言って渡り歩いてくこと(イメージは椿三十郎?桑畑三十郎?)なんだが、現実はなかなかそうもカッコよくいかないよなあ、ってのがモチーフとしてあるからなんだが。
ときどき、先を急ごうとしたり、なんか下調べをしようとしたりする、自分をいさめて野武士然たれとたびたび自戒するのが面白いやね。
いわゆる名所旧跡を、ガイドブックで事前に調べて、たどるんぢゃなくて、たとえば、
>「東海道のシブイ床屋さん収集」は、今回自然発生した写真テーマ
なんてサラッと言ってるとこが、いいんだ、これが。
あと、腹の具合次第で、適当にフラッと食べもの屋に入ることもしばしばで、アタリのときもあればハズレを引くときもあるんだけど、なんの特徴もないんだけど、だんだんおいしくなるもののほうを評価して、
>ひと口食べた瞬間においしいと驚かせるような料理は、店主の「どうだ!」という主張が強すぎるように思え、最近どうも信用できない
なんてこと言ったりしてんのが、やっぱ妙に共感しちゃうとこであったりする。
コメント
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