早川義夫 2013年 ちくま文庫版
書店でみかけて買って、最近読んだ本。
1982年に刊行されたものの文庫化だそうだ。いいことだ、そういうのは。
著者は、私は知らなくてもうしわけないけど、元歌手で、なんか「本屋が好き」「本にかこまれていたかった」とか、好きな本だけ集めて、座ってるだけで一日がすぎてけばいいや、という夢をもって、本屋になってしまった人。
でも、わずらわしい客は来るし、店にそろえたい本は簡単に手には入らないしで、けっこう苦労したことが書かれてる。
くりかえし書かれてることは、本屋が望みどおりの品ぞろえをすることができないのはおかしい、という点。
注文してもその数が期日までにくるとはかぎらないことはあたりまえで、出版社か取次か知らないけど、この世界の流通はおかしいんだそうだ。
毎月決まった冊数が売れれば、それなりに決まった数を入荷できるんだけど、そうならないのには消費者も加担しているらしい。
>あっちで買ったり、こっちで買ったりしていると、最終的には、読者があっちこっちを探すはめになるのではないでしょうか
と指摘している。うーむ、そうなのか。
>もし、この本屋は、ロクなものがないなというのなら、その本屋に集まるお客さんが、ロクでもないものしか求めないからだといっても間違ってないと思う
ってのは、ちと厳しいけどね。まあ真実なんだろう。
あと、お客か出版社の営業かを問わず、本に関する知識、なにが売れ筋とか、なにがいわゆる「良書」と評されてるとか、そんなことばっか言う人たちにも困っちゃってるとこは、同感だと思っちゃう。
>本なんていうのは、読まなくてすむのなら、読まないにこしたことはない。読まずにいられないから読むのであって、なによりそばに置いておきたいから買うのであって、読んでいるから、えらいわけでも、知っているから、えらいわけでもないのだ。
という宣言は、いい。
そうそう、当然、立ち読みに関しては、強く嫌っていて、それは商売のジャマとかいうよりも、人間の了見がダメだというスタンスに近い。
>へるわけじゃないんだからと言うのなら、風俗はただになってしまう。痴漢は罪にならない。
とは言い得て妙だけど。
本屋って、たいへんなんだな。客のままのほうがラクか。ってのが全体を通しての私の感想。
(べつに本屋がラクそうだとは思ってなかったが。)
書店でみかけて買って、最近読んだ本。
1982年に刊行されたものの文庫化だそうだ。いいことだ、そういうのは。
著者は、私は知らなくてもうしわけないけど、元歌手で、なんか「本屋が好き」「本にかこまれていたかった」とか、好きな本だけ集めて、座ってるだけで一日がすぎてけばいいや、という夢をもって、本屋になってしまった人。
でも、わずらわしい客は来るし、店にそろえたい本は簡単に手には入らないしで、けっこう苦労したことが書かれてる。
くりかえし書かれてることは、本屋が望みどおりの品ぞろえをすることができないのはおかしい、という点。
注文してもその数が期日までにくるとはかぎらないことはあたりまえで、出版社か取次か知らないけど、この世界の流通はおかしいんだそうだ。
毎月決まった冊数が売れれば、それなりに決まった数を入荷できるんだけど、そうならないのには消費者も加担しているらしい。
>あっちで買ったり、こっちで買ったりしていると、最終的には、読者があっちこっちを探すはめになるのではないでしょうか
と指摘している。うーむ、そうなのか。
>もし、この本屋は、ロクなものがないなというのなら、その本屋に集まるお客さんが、ロクでもないものしか求めないからだといっても間違ってないと思う
ってのは、ちと厳しいけどね。まあ真実なんだろう。
あと、お客か出版社の営業かを問わず、本に関する知識、なにが売れ筋とか、なにがいわゆる「良書」と評されてるとか、そんなことばっか言う人たちにも困っちゃってるとこは、同感だと思っちゃう。
>本なんていうのは、読まなくてすむのなら、読まないにこしたことはない。読まずにいられないから読むのであって、なによりそばに置いておきたいから買うのであって、読んでいるから、えらいわけでも、知っているから、えらいわけでもないのだ。
という宣言は、いい。
そうそう、当然、立ち読みに関しては、強く嫌っていて、それは商売のジャマとかいうよりも、人間の了見がダメだというスタンスに近い。
>へるわけじゃないんだからと言うのなら、風俗はただになってしまう。痴漢は罪にならない。
とは言い得て妙だけど。
本屋って、たいへんなんだな。客のままのほうがラクか。ってのが全体を通しての私の感想。
(べつに本屋がラクそうだとは思ってなかったが。)
