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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ポットショットの銃弾

2016-09-07 20:47:46 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 2006年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
かなり探しまわった挙句どうにかこうにか手に入れたスペンサー・シリーズの、えーと第28作目。
原題「Potshot」は、地名だって。事件の舞台になる、西部のどっか、小さい町。
町の近くの鉱山の跡地にギャングの集団が巣食っていて、町の商店などからみかじめ料をとっている。
で、夫を殺された未亡人が依頼人で、彼らを刑務所に送り込んでもらいたいという。
引き受けたスペンサーは現地へ乗り込むが、大人数が要塞を構えてて、やっつけるのは容易ぢゃない。
考えた結果、スペンサーは、腕の立つ助っ人を集める。
かつての登場人物を引っ張ってくるのは、これまでもあった展開だけど、今回は人数が多い。
招集かけられたのは、ホーク、ヴィニイ・モリス、チョヨ、ボビイ・ホース、テディ・サップ、バーナード・J・フォーテュナト。
これにスペンサーを入れて7人で、なーんだ「七人の侍」じゃん、とは思った。
そんな危ない仕事に出向くことを心配するスーザンに対し、例によってスペンサーは、
>おれは、やると言ったことをやらないでいると、ほどなく廃業することになる。やると言ったことをやるのが、おれの売り物の重要な部分を占めているからだ(p.105)
とか言う、あいかわらずです、それがカッコイイんだけど。
戦い方だって、山の後ろから忍び込んでって先制の奇襲攻撃をかけるようなプランはとらない。
そうしたほうが手っ取り早かったし、ケガもしないで済んだというメンバーに対し、ホークが代わって説明する。
>残りのおれたちは、なにかやるべきことを見たら、それをやる。おれたちは、そのやり方についてはあまり注意を払わない。スペンサーは、物事のやり方は、やることと同様に重要だと考えているのだ(p.381)
そうねえ、そこがいいとこだ。
でも、この武士道的生き方をするスペンサーなんだが、スーザン依存症はシリーズ進むにつれてひどくなるようで、
>スーザンが恋しかった。このところ、自分の頭の中で一人で過ごす時間が多すぎる。(略)スーザンと一緒になってからは、物を考えるのを彼女が助けてくれて、たとえ彼女から離れていても、時には不在のまま彼女に物事を説明して考えを整理することができる。(p.74)
なんて言ってるんで、心理学用語で何というかは知らんが、切っても切り離せない存在になっている。
コメント
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