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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

古本綺譚

2016-11-24 20:45:05 | 読んだ本
出久根達郎 1990年 中公文庫版
前回から古本つながり。
『街の古本屋入門』を買ったときに、一緒に古本で買った、1995年の9版。
私はときどきそういうことをする。お目当てを見つけると、なんか同じ種類といっていいもの、も一つないかな、って探したりする。
それは新刊書店でもいっしょで、よっぽど急いでるとき以外、たいがい本屋行くと、複数のもの買ってる気がする。
(どうだ、いい消費者だろ。)
著者については『作家の値段』なんかを読んだことあって、まあ何か古本についておもしろいこと書いてあるだろ、ってつもりで手に取ってみた。
本を売りにきたヘンな客の話とか、わりと短いそういうのが並べられてるけど、第二章は戦前のある奇人について長々と語られているひとかたまり。
「文庫版あとがき」によれば、この本は「生まれて初めて書いた本であった」ということで、著者の創作のルーツなのかもしれない。
単行本は1985年の刊行らしいが、初出一覧をみると、エッセイ調のもののいくつかは、昭和五十年代後半に、自身の古本屋の販売目録に載せたものらしい。
どうでもいいけど、
>いつの時分からか、古本屋を訪れてくる客の色合いが変った。折角あるじがいれこんで仕入れてきて陳列しても、見向きもしない客が多くなった。古本屋稼業というのは、一面自分の蔵書(商品)を得々と見せびらかす行為なのであって、そのうえ書物に対する眼識を極力自慢することなのである。(p.279「目録殺し」)
って一節、『街の古本屋入門』に書いてあったはず、って昨日さんざん探して見つからなかったんだが、本書のほうにあった。
似ているようなテーマの本を立て続けに読むと、ときどきアタマが混線してしまうことがある。
コメント
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