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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

怪しい花婿

2019-06-15 17:58:49 | 読んだ本

E・S・ガードナー/田中融二訳 一九七六年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
ひまつぶしに読む、ペリイ・メイスンシリーズ。
しまいかたがバラバラなもんだから、発表順に時代追って読めたりしないが、どっから読んでも問題ない、 原題「THE CASE OF THE DUBIOUS BRIDEGROOM」は1949(1941 ※2019年7月27日訂正)年の作品。
持ってんの1990年の11刷だけど、古本ではなさそう、なぜか小倉の書店のブックカバーかかってるし、1991年ころ出先で買ったのかも。
怪しい花婿ってのは、メイスンの依頼人である鉱物資源開発会社とやらのお偉いさん自身の言葉。
会社で秘書やってた女性と結婚したが、そのうちすったもんだでうまくいかなくなって、新しい若い女性に夢中になって、物語の時点では二度目の結婚生活に入ってるんだが。
前の妻との離婚はメキシコでの手続きなんだけど、それが合衆国でほんとに有効かどうかわからない、そうなると再婚も認められない、「わたしはどっちつかずの怪しげな花婿なんて身分はまっぴらだ」と言うわけだ。
おまけに前の妻というのが、かなり利口なので、そうなると財産譲渡でも容赦ない攻撃をしかけてくるに決ってるので、どうにかならんかと。
株主総会の開催にひっかけて、重婚での告発もしてこようかという前妻とわたりあうため、メイスンは依頼人をメキシコ領に逃がすという作戦をとるが。
そうこうしてるうちに、例によって殺人が起こり、メイスンの依頼人に疑いがかけられる。
それで困ったことに、これまたいつものように依頼人が弁護士に隠しごとなんかするもんだから、裁判が始まってから検察側の爆弾のような証言でてきて、ただでさえ不利なのに、ますます窮地に立たされるメイスンは、反対訊問でがんばる展開になる。
裁判の相手は、いつものハミルトン・バーガーなんかぢゃなくて、事件の起きた土地からサン・ディエゴ郡の地方検事が出てくる。
これがあまりメイスンのやりくちとかに慣れてないせいか、裁判すすめるうちにカッカしてくるとこがおもしろい。
で、それはそうと、物語は、依頼人の登場より前に、メイスンの事務所の外の非常階段に、美しい女性が脚もあらわに降りてくるのをメイスンが見つけた夜から始まる。
その娘が降りてきたメイスンの上のフロアは、今回の依頼人の会社なんだけど、その美人はそこに勤めてるなんてウソついたうえでその晩はメイスンからうまく逃げおおせる。
何者だったか何してたか謎だったんだけど、事件に関わる拳銃をおっかけてるうちに、メイスンはその女性と再会することになり、彼女は重要な関係者として位置づけられてく。

コメント
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