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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

パンツを捨てるサル

2019-08-17 17:55:25 | 読んだ本

栗本慎一郎 昭和63年 光文社カッパ・サイエンス
また古い本を見つけ出したりした。
すごい響きのタイトルで、知らないひとには意味わかんないだろうけど、前著『パンツをはいたサル』ってのがあるので、その続編だと思えば、そんな違和感はない。
サブタイトルは、“「快感」は、ヒトをどこに連れていくのか”で、そういえば、あのころって、そういうのにけっこうかぶれてたなあと思い出す。
『Ev.Cafe』なんか読んだこともあり、ひとを動かすのは快感でしょとか、やっぱ快感には弱いからなーとか、って話をよくしてたような。
ひさしぶりに読みかえしたけど、そうそう、あったあった、こういう理屈ってすぐ思い当たったのは、当時読んだときのインパクトが大きかったからぢゃないかとも思う。
ざくっというと、人間の歴史をつくってきたのは病気だったとか。
進化ってのはウイルスの影響で選択されてきたようなもんだとか。
現代(当時)においてエイズと麻薬ってのがクローズアップされてきたのは、ヒトのカラダがそういうのに反応するような方向に進んでんぢゃなかろうかとか。
『免疫の意味論』とか読んだあとに読み返すと、むずかしいことおぼえてないし理解してはいないけど、あー、あったあった、そういう仕組み、なんて思ったりする。
繰り返しいろんなかたちで述べられてるけど、
>ウイルスをはじめとする病原体がある。これに感染した生物は病気になる。
>そのうちのあるものは死に、あるものは生き残る。生き残されたものは、生き残る意欲があったからであり、それは快感物質の働きがもたらしてくれたものである。(p.214)
ってあたりが、主題なんぢゃないかと思う。
んで、新たな方向に人類が突き進んぢゃうのは、そっち行くことが快感だって脳にセットされてるからだと。
うーむ、人間に主体性なんかねーよ、ウイルスにとって都合のいいのだけが選ばれて残ってるんだよ、ってのは好きな議論だな、あらためて見ても。
章立ては以下のとおり。
1 「パンツ」は、選択する
2 永遠の生命の逆転者たち
3 「快感」は、アルカロイドの夢を見る
4 「快感」の潮のかなたに見えるもの

コメント
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