ベン・C・クロウ 編/西崎憲 監訳 二〇〇〇年 ちくま文庫
「アメリカの奇妙な話 1」と副題がある、文庫オリジナル編集出版だというもの。
先月に新刊でも売ってるんだって見つけて買って、わりとすぐ読んだ、帯に「緊急復刊」て文字があって、二〇一八年の第二刷。
たしかラードナーの『メジャー・リーグのうぬぼれルーキー』の文庫を読んだときに、巻末に一冊あたり三行くらいの文庫の宣伝文のページがあって、そこでタイトルが気になったんぢゃないかと。
(奇妙な話、は、けっこう好きです、たとえば「栞と紙魚子」とかw)
巻末訳者解説によると、1947年にアメリカで出版された「The American Imagination at Work : Tall tales and Folk Tales」の抄訳なんだそうです、ブラウン大学のクロウ教授が集めた、パンフレットとか新聞記事とか小説などを収めたアンソロジーだそうで。
まあアメリカで語り継がれてる昔話のたぐいで、タイトルのポール・バニヤンは木こりの神様的存在の巨人、松の木と並んで立つと松の木が低木にしか見えなかったという大きさ。
でも、その偉大さがピンとこないせいか、一読して私がおもしろいなと思ったのは伝説の木こりなんかよりも、いーからかげんなホラふきの話なんかのほう。
悪さした猫に向かって、ひしゃくでお湯をぶっかけようとしたら、あまり寒いもんだから、猫にあたったときは氷の塊になってしまっていた、とかってやつ。
コンテンツは以下のとおり。
都市伝説
真ん中の男
消えた客室
消えたレモンパイ
真珠の首飾り
エミリーのニューヨークにおける冒険
インディアナのベル
不可解なこと
リソボリア
石を投げる悪魔たち
メアリー・セレスト号事件における虚構と真実
偶然
ブレーディーの跳躍
鼠駆除のまじない
ウィード伯父さんが書いた鼠への手紙
熊、狼、栗鼠など
熊たちの祭宴
熊の仕返し
栗鼠の艦隊
信じがたい話
教練をつんだ海馬(セイウチ)たち
風変わりな食事
狼の棲む穴
ユーモアとトール・テール
ほらふきのジョン・ダーリング
西部のほらふきたち
メイン州の嘘つき
死んだふり
陸軍の騾馬
設営部隊
目打ち
狩猟と釣り
泣き虫鮫
魚とフライパン
「十ポンド、減らしゃあ……」
不運な牧師
川鱸(パーチ)をモーターにした話
特別な餌
鶉とセーター
見事な狩猟 一(一九四三年十月十日の語り)
見事な狩猟 二(一九四三年十一月二十一日の語り)
見事な狩猟 三(一九四三年十一月二十一日の語り)
一発で鹿をしとめ、臓物を取った話
ジョン・バスの狩猟
塩梅が肝心
アメリカの英雄たち
デイヴィッド・クロケット、弾丸を二発命中させる
マイク・フィンク、デイヴィッド・クロケットに会う
ゴフか、ホエイリーか、さもなくば悪魔だ
ハドリーの守護神
ロイ・ビーン
ロイ・ビーン――検死官
ジョニー・アップルシード
勝利者ビッグ・ジョン
ダディー・メンション
アンクル・マンディー
巨人ポール・バニヤン
ポール・バニヤンとケンプ・モーガン
雷鳴湾のたたかい
ポールの家庭生活
雄々しさの地
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