many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

転落・追放と王国

2014-08-05 19:12:04 | 読んだ本
カミュ 佐藤朔・窪田啓作訳 昭和43年 新潮文庫版
古い文庫を出してきた。持ってるのは昭和57年の21刷。
ほんとにこんなむずかしいもの、読んでたのかな、俺?って気がする。
だって、おもしろくなかったから、その後読み返したりしてないもんw
「転落」は、アムステルダムの酒場で、かつて弁護士だった男が、自らの過去を、五日間にわたって、見知らぬ相手(というか読者?)に告白する形式。
ところどころに警句じみたおもしろい言い回しがでてくる。
>未来の歴史家はわれわれについてどう言うでしょうかね。近代人についてはただの一句で十分、つまり近代人とは姦通し、新聞に読みふけったとね。
とか、
>白状しにくいことだけど、可愛い踊り子と最初のあいびきをするためなら、アインシュタインとの十回の会議を棒に振ってもいい。あいびきが十回目だったら、アインシュタインと会いたくなるし、猛然と本でも読みたくなる。
とか、
>(略)実際は役所に登録した遊蕩にすぎないある種の結婚は、同時に、大胆と創意を葬る単調な霊柩車と化してしまう。
とか、
わたしの知合いで、人間を三種類に分類しているやつがいましたっけ。第一は嘘をつかざるを得ないくらいなら、隠しごとをいっさい持たないほうがいいと考えるやつ、次はなにも隠しごとがないよりも、嘘をつくほうがましだと思うやつ、最後は嘘をつくのも、隠すのも両方好きなやつ。
とかね。
「追放と王国」のほうは、「不貞」「背教者」「唖者」「客」「ヨナ」「生い出ずる石」の六つの短編からなる短編集。
どれも、どことなく暗い。若いときは、こういう暗い話が好きだったんだろうな、私は。なんか、そのほうが文学っぽいもんな、いかにも。
超ひさしぶりに読み返してみたら、私の記憶のなかで、「背教者」と「生い出ずる石」が混濁しておぼえてたことに気づいた。
前者は、若い宣教師がアフリカに布教にいくんだが、捕らえられて、あまつさえ舌を切られ、土地の神を崇めるように強制される。(ほら、暗い。)
後者は、ヨーロッパ人の技師がブラジルに行ってて、そこで原住民の男の信仰を扶けるんだけど、自身は信仰はもたない。
後者にある、腕組をやめろ、身体をしめつけていると、精霊が降りてくる妨げになる、という箇所が、私は前者のワンシーンだとばっかり長年記憶してたことになる。
読み返してみて、いちばん気に入ったのは「ヨナ」
才能のある画家なんだけど、取り巻きがなんだかんだと増えて、思うように仕事がしにくくなる話。
このラストシーンなんかが、なんか似たテイストのものを、小説だったかマンガだったかわかんないけど、その後読んだような気がするんだが、なんだったか思い出そうとしても出てこない。
(こういうとき、トシを感じるんだよねえ。単なる物忘れぢゃなくて、連動するべき記憶力の減退。)
なんとなく、諸星大二郎的な感じもする、ただの漠とした印象だけど。
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暑い日にひさしぶりの芦毛に乗る

2014-08-04 18:19:14 | 馬が好き
いろいろあるけど、乗馬にいく。
それにしても、暑いのは承知のうえで行くんだけど、なんか今日は空が夏らしい色してると思った。
(どーゆーんだっていわれても困る、そーゆーのは写真には写らない。)

きょうは、マイネルミレニアム、約3か月ぶり。
どんな馬だか、忘れてる。「どんな馬だっけ?」 私のあと、二鞍目に乗るひとに訊いてみる。
みんな、クビというかアタマをブンブン振るって言うんだよね、そうだっけ?
私としては、わりとすぐゴメンナサイってする印象があるんだよね。それで何回かに一度、ヤダ!って言ったりするのは確かだけど。
いちいち反応があるって意味では、わかりやすい馬だと思う。
馬場に入ったら、常歩でウォーミングアップ。前に行く気は満々なので、抑えてみて、こっち来たら、かえしてやる。そんなのの繰り返し。
この時間が大事。そうしたら、アタマなんか振らないよねえ、って思う。
部班の先頭。私が先頭やるのは、うまいからとか、馬が動くからとかぢゃない(動かないかもしれない馬のときは、隊列をつくるときにあらかじめ後ろに逃げる)、ただ年寄りなぶん大体号令がわかってるだけにすぎない。
速歩スタート。すこし歩度を伸ばす、元気よく。動いてないと、練習にならないからね。
歩度を詰めたり伸ばしたり。反応をたしかめる、前に出る勢いは申し分ない。出るたび、おさえていうことをきくたび、ホメる。
輪乗り、歩度を詰めたり伸ばしたり、伸ばすとき軽速歩、詰めたら正反撞。
駈歩、出たら走りやすいように引っ張らないで、どんどん前に出す。
ああ、よく動く、そして乗りやすい。駈歩がいちばん乗りやすい(常歩がいちばんやりにくい?)。
前に出る気があって、ちょうどいいぐあいにハミをうけてくれる感じだからね。
詰めたり伸ばしたり。蹄跡にでて大きくまわって、伸ばす。そしたらツーポイント。
ツーポイントすると、輪乗りとか蹄跡でも隅角のとことかで特に、外のアブミだけを強く踏んでるようなとこあった。
そうすると、馬は逆に内に倒れる感じになって、悪循環。いちど座って、やりなおすことにしてたけど、そのへんのバランスのわるさ課題。
輪乗りに戻る。すわっておさえるけど、ゴーサインを出したらすぐ伸ばせる勢いを保つ。
トモが入ってきて、前が上にあがってくようなイメージを目指す。そう簡単にはいかないけどね。
「詰めたとき、馬がまるくなって、いい関係がつくれているように見える。伸ばしたときに、そのまま伸ばす、放しちゃって馬がノビていかないように。」
そうなんだよねー、歩度を伸ばしたときに、ちゃんとウケてない、コンタクトがはずれちゃってる。
かといって、そこを意識すると、強く持ち過ぎちゃうようなことになっちゃう。そこ、課題。
「もうすこし求めていい。ゆずりそうな雰囲気あるから、ゆずったらすぐかえすように。」
微妙なとこだ、むずかしい。ケンカはしてないけど、完全に待ち受けてくれてる感じまでには至ってない。むずかしい。
それでも駈歩は切れることなく、楽しい感じで、終了。よっく、ホメる。

次のひとの乗るのを見てると、私が乗ってたときに、なんだろう?って思ってたのが、道中でずっと下あごをパクパクと動かしてるのだったってことがわかる。ヤメていただきたいが、ヤメさせかたがわからない。
練習後は、暑かったんで、どっちにしろ丸洗いするから、いちど砂場に放してやる。
気持ちよさそうに背中を伸ばすように転がる馬を見てるのは楽しい。(写真撮り忘れた。)

洗って、拭いてやって、ちょっとそこらへん牽いて歩けば、すぐ乾く。さすが洗濯指数90だか100だか。
暑い日は、それだけがいいやね。
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