かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ビートルズ研究 毒★独★髑★読本

2024年07月12日 | The Beatles
帰国後、体調いまいち。
しばらく静かにしていたいが。



本書の存在は、知っていたのだが、タイトルがうさん臭く見送っていた。
先日読んだ本で、ビートルズ事典の著者である香月さんの著書であることを知り、中古本をゲットしてみた。
元は、2000年8月発行の本なので、海外駐在中で気づかなかったのかもしれない。
流石、香月さん、マニアック度が半端ない。
日本のビートルズファンは、必携の1冊かもしれない。

まずは、日本人にとってのビートルズ年表。
ここまで詳しく知る必要は、全くないのだが、笑える。
60年代中盤以降の日本のニュースは、おぼろげながら覚えているものもあるが、ビートルズのニュースについては、全く知らないものばかり。
ビートルズのファンクラブが正式に設立されたのは、1965年1月のことだった。

次は、来日時の違和感ありありの記者会見。
音源を持っているが、通訳をプロモーターの永島氏自身がやっていたとは知らなかった。
あの混乱の中、ビートルズの心情を踏まえたしっかりした翻訳をされている。

次は、朝日、読売、毎日の3紙に載ったビートルズの記事の見出し一覧。
大村さんと同様、国会図書館で調べたのだろうか。
朝日と毎日の63年11月の記事が初出となっている

主なイベントについて、3紙がどう伝えたか、そしてその解説が、箇条書きにまとめてある。
解説が当時の背景を踏まえたもので、面白い。

次も、新聞記事についてだが、笑える記事一覧。
いかに、ビートルズが理解されていなかったか、誤解が多かったかがよくわかる。
音楽の情報は、音楽専門誌に頼らざるをえなかった。
今もそうは変わらないが。
64年1月の記事では、イギリスの突然変異扱いされている。

次は、時代が飛んで、ジョンが殺害されてからの騒動を時系列で追っている。
ここまで、細かく観察して追っかけた人はいないだろう。
特に、日本サイドでの報道、マーケティングにかかる動きは、忘れてしまっていたが、凄まじいものであったことがわかる。

次は、ビートルズマンスリーブックのサマリー。
今は、もう少し詳しいサマリー本が出ている。
私も、全冊持っているが、全部訳したら相当の量になってしまう。
特に、中期以降の号には、内容が散漫なものもあり、なかなか厳しいものがあった。
1969年12月の77号を持って、廃刊となった。
まだ、正式な解散前だったが。

次は、クリスマスレコードのヒアリング。
オリジナルも、復刻盤も持っているが、後期になるにつれて、おふざけ度合いが深まり、ヒアリングも難しくなるが、英和併記で、丁寧に翻訳してある。
脱帽。

次は、教科書に収録されたビートルズネタ完全リスト。
本当に完全なのかは、確かめようがないのだが、相当数の教科書に収録されていたことがわかる。
英語の教科書が多いが、社会科、音楽の教科書に収録されているケースもある。
私が使った教科書に使われていた記憶はないのだが、ディランの風に吹かれてが使われていたのは、覚えている。

そして、ビートルズに関する英語問題。
流石に、中高の教科書問題なので、難しくはないが、英語を必死に勉強していた学生たちに対して、ビートルズが問題に採用されていたとは知らなかった。
これも、私の使っていた教科書にはなかったと思う。

次は、有名な6百科事典に、ビートルズが、どう説明されているか、比較するコーナー。
我が家にあったアポロ百科事典(3冊セット)にも載っていたことを覚えているが、10行ぐらいの簡単な紹介だったと思う(もう古本屋に売ってしまった)。

次は、切手になったビートルズ。
今は、本国イギリスでも正式に切手になっているが、当時は、聞いたこともないような国から多くのビートルズ切手が発行されていた。
アンチグア・バーフーダ、セントビンセント・グレナディーン、ブルンジ共和国、サントメ・プリンシベ民主共和家国?
存在すら知らない国多数。
今も存在している国々なのだろうか。

何でもランキングは、ビートルズの本で、ランク付けしているものを、とにかく取り上げたというもの。
今も昔も、何でランクをつけたがるのだろうか?

ということで、取るに足らないコーナー、今は、さらに細かい専門書が出ているケースもあるが、引き続き、本書に掲載されている内容が、最高峰のコーナーもあり、たいへん面白い1冊だった。
香月さんは、1999年に亡くなられているので、本書が遺作になったのかもしれない。
当時、CDジャーナルにいらっしゃった藤本さんが、編集されている。
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