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ユニクロの柳井社長

2011-08-26 23:47:57 | 11期生のブログリレー

 皆さん、今晩は。才村です。

今回は、青木先生の「稼いでいるプロコンに見習う」に倣い、稼いでいる経営者を良く知りたいということで、ユニクロの柳井正氏の個性を調べ、特に感心したことを取り上げます。私たち診断士は、柳井氏の様に百戦錬磨の経営者と接するわけですから、自分のコンサル姿勢を十分確立しておく必要があると思います。

「中小企業の90%は社長で決まる」といわれることがありますが、柳井社長のリーダーシップで社員2人の個人商店からグローバル企業に成長したユニクロはその典型例だと思います。野田市にもユニクロが有りますが、数年前に移転して売り場面積が2倍になりました。

1.危機意識をバネに、飽くなき成長意欲を持っています。

○個人商店育ちで売れなかったらどういう結果になるかを体感として知っている。

○時代の動きが激しく昔に比べたら商売が難しくなっているので、同じことをやっていたらお仕舞という意識がある。

○今のままでは日本は短期間に衰退する、日本は早晩行き詰まるという考えを持ち、それが2020年にユニクロの国内売上高に対し、海外売上高を3億円にするという構想につながっている。

 

⇒私も少なくとも10年後に日本と世界の経済、生活はこうなるという大きな流れ、見通しを持ちたいと思っています。世の中の大きな環境変化に適応して、初めて企業は生き延びられます。

 

2.実に研究熱心です。

○学生時代、アメリカ旅行に行きファッション性のある商品を手頃な価格で販売する大学生協(ヘルプ・ユアセルフの店)を見た。

○会社経営を始めてから、何回もアメリカ流通業視察旅行に行って事業の参考にしている。

・デパートの後退

・シアーズなどの総合スーパー登場(PBで中間流通カットにより低価格化を実現)

・Kマートなどの総合ディスカウントストア、専門ディスカウントストア(衣料、家電、医薬品)、マクドナルド(誰でも買える価格で素早く調理品を売る)の躍進

○ドラッカーを経営の師と仰ぎ、「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」を経営理念の第1条に掲げている。○日本にファッション・ビジネスの概念を広めた尾原蓉子先生から米国小売企業の講義を受けた。

 

⇒デパート→総合スーパー→専門ディスカウントストア、コンビニと日本でもアメリカの後を追っています。フレッシュ診断士研究会の波形先生は80歳を超えた超ベテラン診断士ですが、今でも多数の業界関係者を引き連れて毎年アメリカ流通業視察旅行に行かれています。業界を知り尽くした経営者に助言するとなると、生半可な知識では到底対抗できませんから、診断士としては、星野リゾートの星野社長の説く「小さな会社ほど教科書通りが大事」に倣い、診断士の学習で習った実績のある経営理論を深く理解して、経営判断の根拠や基準としたり、中小企業施策の利用、ITの活用、人事制度の充実など、経営者の力が及びにくい方面のコンサル能力に活路を見出したりするのも一案と思います。

 

3.うまくいかないと分かったら、一気に改革する決断力があります。

○過去100店以上(例えば、喫茶店、ハンバーガー店、ビリヤードができるプールバー)、お店をつぶしてきた。

○中国の生産委託企業のうち、何度言っても品質に問題があった企業との契約を解除し、一気に企業数を1/3に減らした。

○1990年代後半に、新業態(ファミリー向け商品、スポーツ用品)で売れず、在庫増加となって、1年で撤退した。

○2002年に社長を退いたが、営業利益伸び悩みを見て、2005年に社長に復帰した。

○2009年に子会社ジ―ユーで990円ジーンズを売り出した。

 

⇒ユニクロの現在の成功だけを見ていると順調に成長してきたように思いがちですが、実際はそうではありませんでした。若い時も、今も、トライアル・アンド・エラーを繰り返しています。経営革新を実行できる企業はまだよいとしても、公共予算縮小で苦しくなっている中小建設業、この円高で親企業が海外進出し受注が減少している中小製造業がどう生き延びていくか、診断士の力量発揮が期待されていると思います。

コメント (1)
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