こんにちは。13期生のTommyです。
9月14日(土)の城南国際セミナーに参加しました。カンボジア進出のお話しということで興味があり参加させていただきました。前半はカンボジアへ工場進出された会社の社長さんからのプレゼンテーション、後半は診断士の先生を交えたパネルディスカッションという構成でした。
この会社はすでに中国には工場を持っていますが、人件費高騰などの理由により、東南アジア圏での工場新設を検討していたとのことです。お話しを聞きますと、進出先国の選定や、カンボジア進出を決めてからの工業団地の選定などにおいては、インフラ整備状況、労働力、コスト、物流、投資優遇税制などの投資環境を入念に調査されたとのことです。
調査にあたっても、銀行、中小企業診断士、現地でのアドバイザーなど各方面からの助言を求めたとのこと。特に海外への進出にあたってはこういった事前の調査を十分に行うことが大切だというのは、当たり前の話のようですが、こういった当たり前のことを事前に調べた上で意思決定を行うということが忘れられがちだと思います。この会社はそういう意味ではトップを含めてこうした対応をキチンと行っており、これが海外進出成功に繋がっていると感じました。
工場進出後の人材育成や定着率向上についても日本から派遣させたマネジメント、ローカルのマネジャーが協力して色々と工夫されているようでした。たとえば、従業員定着対策の一つとして工場の食堂メニューを充実させることに努めているとのことでした。近隣のレストランなどの力も借りて美味しいランチを提供することで、従業員の満足度も上がっているとのことです。こういった点も含めて、きめ細かく従業員の育成や定着を進めており、徐々に熟練を必要とする作業もこなせるようになって来ているとのことでした。
後半のパネルディスカッションでは、海外進出を検討する際のステップ、海外進出時の留意事項などを経験豊富な診断士の先生からお話しを伺うことが出来ました。基本は、国内で事業を拡大する場合も海外へ進出する場合も同じで、まずは目的・戦略を明確にした上で、市場環境調査を行い、事業計画をつくっていくということですが、海外への事業展開の場合は、現地の環境がなかなか分からないため、国内での事業展開以上に入念な事前調査が必要であること。また、それぞれの国ごとに、国内事業とは違った政治・経済、ビジネス上のリスクがあり、リスクマネジメントもより重要になって来るということがポイントでした。
私も、新興国で合弁事業の立ち上げに何件か携わったことがありますが、進めて行くうちに思いもかけなかった事態が発生したケースもありました。例えば、事業計画をつくっている途中で税制が突然変わってしまったり、当事者で合意した合弁契約が政府の指示で修正を余儀なくされたり、あるいは契約調印したものの相手側の出資者が資本金が払えなかったり等々 予想してなかったことが起こったこともあります。それでも事前の調査や万が一の場合のリスク対策というものを十分に検討しておけば、かなりのリスクは回避できるのではないかと思います。
今回はまだ日本企業の進出も少ないカンボジアの話で非常に参考になりました。今後もできるだけ時間を見つけて各種セミナーには積極的に参加して勉強して行きたいと思います。