皆さん、こんばんは。三好です。冷え込んできましたね。10日間ほどで気温30℃超から20℃以下になると、さすがにこたえますね。
気温と商売の関係はいろんな話しがありますね。例えば、
* かき氷は30℃以上になると売上が伸びる。
* エアコンや夏物衣料が売れるのは20℃以上から。
* ビールは28℃を超えると、一気に売上が伸びる。 等等
私は22才~40才頃まで、繊維業界で、寝具・インテリア・生活雑貨の営業に携わっていました。当時は漠然と、「暦通りに夏は暑く、冬は寒くなれば商品の売れ行きが良い」と思っていました。業界では「最高気温が○℃を下回ると××が売れ始める」などと暗黙の認識がいくつもありましたが、根拠は特になく、長年の経験・実績によるものが大半でした。
今まで気温と商売の因果関係分析が少なかった中、平成25年4月に気象庁が「アパレル・ファッション産業における気候リスク評価調査報告書」を発表、気温と商売の関係分析をスタートさせています。【協力:(社)日本アパレル・ファッション産業協会】 「アパレル・ファッション産業」は気候の影響を受け易いと思われており、トップバッターとなった様です。
日本は気候の季節変化が明瞭で、それに対応した社会・経済活動が営まれています。しかし、異常気象のような平年の気候との隔たりが大きい減少が一定期間持続すると、その影響は様々な分野に及び、それらの影響を受ける可能性のことを気象庁は「気候リスク」と定義しています。
1)気候リスクを認識し、2)気候リスクを評価し、3)気候リスクへの対応を行う
ことから成る「気候リスク管理」を実施することで、気候リスクを軽減(あるいは利用)できる可能性があるが、農業などの分野を除き、「気候リスク管理」を実施している産業分野は少なく、その普及が課題と気象庁は指摘しています。
今回の「アパレル・ファッション産業における気候リスク評価調査報告書」において、以下の「販売量と気温の間での明瞭な関係」が見出されたとのことです。
1) サンダル⇒売れ始めの4月は気温の変動に少し遅れる形で販売量が変動する傾向がある。
2) ロングブーツ⇒日平均気温が15℃を下回るようになると、急激に販売数が増える。
3) 帽子(ニット)⇒売れ始めの10月頃は、気温の上下と販売数の増減が連動し、日平均気温が15℃を下回るようになると販売数が急激に伸びる。
4) コート⇒女性用コートは、最低気温が10℃を下回り始める時期に販売数がピークを迎え、男性用コートはそれに1週間程度遅れて販売数のピークを迎える。
気象庁は、今回の分析方法を活用し、今後他の様々な産業分野で「気候リスクの評価」を普及させていく方針の様です。昔に比べ、気象データは正確性を増しているように感じます。気象庁と産業界のコラボレーションというのは正直余り頭にありませんでしたが、今後、企業の生産・販売活動に役立つ可能性があると感じました。