こんにちは、松田越百(まつだ・こすも)です。
みなさん、プライベートで一日に何通位PCメールを受信してますか?
私の実績で言うと、一日に平均して30通~40通位は受信しています。友人・知人からの連絡などは、その中のほんの一部だけで、殆どはオンライン・アカウントを登録したポータル・サイトや、アカウントを持っているECサイトからのキャンペーン情報などです。
当然、全部のメールに目が通せるわけがありません。正直言うと、「重要なお知らせ」というタイトルが付いたもの程度しか読んでいないのです。昔から言われていることですが、メールを使ったプッシュ型の広告宣伝は開封率が低く、郵便受けに入るDMとほとんど同じような効果しかありません。
インターネットが普及しはじめて15年以上、ブロードバンド環境が整備されてきて約10年経ちました。この間にいろんなウェブサービスを利用してきた積み重ねが、一日に30通以上のメールを受信するという結果につながっているのですが、この間にネットユーザーの行動もかなり変わったのではないかと感じています。自分自身の利用行動を振り返ってみても、次のように変わってきました。
1. 検索エンジン(特にGoogle)への依存度が高まった。これによって、情報は人から与えられるというよりも、自分で探しにゆくことが増えた。
2. 1.の裏返しでもあるのですが、いわゆるポータルサイト(ヤフー、エキサイト、MSN等)への訪問頻度が減った。昔は、ポータルサイトは情報の宝庫でした。
3. SNSへの接触時間が莫大に増えた。皆さん御存知の通り、Facebook、Twitter、Google+等のSNSは使いはじめると楽しくて、つい多くの時間を費やしてしまいます。
特に3.の、SNSへの接触時間が増えたことが、自分にとっては一番大きな変化だと思います。
また、最近私は、ユーザー個々人の興味に合わせてブログの記事やニュースを拾ってきてくれる、「キュレーション・サービス」というものに入れ込んでいます。代表的なもので言うと、gunosy、Flipboard、News360等があります(非常に便利なので、皆さん是非利用してみてください)。つい最近、Facebook社も「Paper」という同種のアプリを公開しました。
http://jp.techcrunch.com/2014/01/31/20140130facebook-paper/
この中でも特に優れものはgunosyで、FacebokやTwitterのアカウントと紐付けると、自分がSNS上で書き込んだ情報を元に、自動的に自分の興味に合った情報をウェブ上から拾ってきます。
総じて言うと、従来のマスメディアよろしく、大手の情報提供者が選んできた情報を与えられて消費するというよりも、個人が作った情報を自分の好みに応じて選択してゆく、という方向に利用行動が変わってきました。つまり、プッシュ型の情報の流れから、プル型に変化したわけです。
これは私自身のネット利用行動の変化なのですが、恐らく結構な数の方が同じような変化を経験されているのではないかと想像してます。Google社の事業が毎年拡大していっている状況を見ても、キュレーション・サービスが相次いで登場している状況を見ても、これが大きな流れになっていると見ても、あながち間違いでもなさそうです。
このように(恐らく)インターネット・ユーザーの行動が変化している中では、当然インターネット・マーケティングの手法も変化してゆくべきです。ちょっと古いキーワードですが、「インバウンド・マーケティング」というものが、この流れを汲み取ったコンセプトになります。長くなるので詳しくは書けませんが、単に自社が宣伝したいことを発信するというのではなく、ユーザーが欲しくなる情報、人にシェアしたくなる情報を発信する、というのがインバウンド・マーケティングのキモとなるコンセプトです。
特に知名度の点で大手企業に劣る中小・零細企業にとっては、口コミが個人同士の強いつながりで伝播してゆく、SNSを利用しない手はないと思います。しかし実際には、やはり商人が「売らんかな」というプッシュ的発想から抜け出すのは難しいもので、ある程度の訓練、思考の転換が必要なんでしょう。
そんな私も、独立計画の一部として、インバウンド・マーケティングの勉強中です。