ゴールデンウイークは、近場に出かける以外は自宅で過ごし、モノ(物)を捨てる作業に没頭していました。
冬服を整理していると、ワンシーズンで数回しか着ない服やコートが結構あることに気付き、一気に廃棄しました。
夏用のスーツは、クールビズが一般化したことで上着を着る機会がほとんどないことから、在庫は下取りに出して、もらった割引クーポンを利用して、複数のズボンがつけられるスーツを購入しました。
バスタオルやフェイスタオルも数が多すぎることに気付きました。
一連の作業の結果、クローゼットのスペースに余裕が生まれて、居住スペースのモノを運び入れることが可能となり、生活空間の快適性が増しました。
片付けの動機は、モノに執着しなくなったことにあります。
若い頃はモノを持ちたい意思が強く集め始めるとキリがなかったのですが、40歳を超えてモノを買うことへの興味が減ってきたのです。
現代は、若い人の方がモノを持たない風潮があるようです。4月30日付の日経新聞に「ミニマリスト生活 見える収納、脱『無駄買い』」という記事がありました。以下に引用します。
「『ミニマリスト』という造語を耳にしたことはあるだろうか。最小限を意味する『ミニマム』を基に作った言葉で、極力物を持たない生活をする人たちのこと。自分にとって本当に必要な物事を見極める潔さが、20~30代の若い世代に共感を呼んでいる。」
「ミニマリスト」は、単なる「ケチ」「節約家」とは違います。お金を使いたくないからモノを持たない、というだけではありません。
本当に必要な分だけあれば足りる、との発想です。
「ミニマリスト」の登場は、経済に良い効果をもたらす側面があります。
必要なモノの数を把握することで、今後は、より質の高い消費行動が可能となります。余計なモノは買わなくて済むのでワンランク上のモノを購入することができ、あれこれ買うよりも、買い物の満足感が高まるでしょう。
他方で、「ミニマリスト」の増加は、経済全体のパイを縮小させるとの懸念もあります。
その解決策は、サービス支出を増やすことです。
先日、初めて家事宅配サービスを利用し、バスとトイレの清掃をしてもらいました。
最初は代金3万円は高いかなとも思ったのですが、さすがプロの仕事です。仕上がりに対する満足感は高く、代金に見合うサービスと感じられました。
日本はサービス産業の生産性は低いと言われていますが、サービスの付加価値を高められる余地は大きいと思われます。
「ミニマリスト」の登場は、サービス市場を拡大するチャンスになり得るのではないでしょうか。