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「診断士としての力量が問われる小規模企業の経営指導」

2016-05-18 17:10:44 | OB生の近況報告・活動報告

15期の小林 隆です。

昨日、東京都が実施する「中小企業活力向上プロジェクト」の説明会に参加して参りました。

「中小企業活力向上プロジェクト」とは、中小企業の「底力向上」と「将来の成長」に向けて、経営課題を発見し、短期・中長期の課題解決を切れ目なく支援しようという東京都のプロジェクトです。
名称や内容のマイナーチェンジを経ながら、8年目を迎えることとなりました。

私たち中小企業診断士は、その入り口で診断を行い「経営課題の発見(気づき)」を与えるところが役割となっています。

この制度を利用し、診断を受ける中小企業は、おおむね59%が5名以下の小規模企業、20名以下の企業までで82%の企業となっています。

診断の手順は、診断希望の企業にあらかじめ実施して頂いたチェックシートから大筋の課題読み取り、その後の2時間のヒアリングを通じて課題を特定し、報告書に課題と改善提案を記載をしゆきます。

私たちの仕事の主な部分は、経営課題を発見と改善提案ですが、経営の知識に乏しい小規模企業の経営者にわかるよに説明し、やる気になって頂く。これは、大変に力量がいる仕事だと思われます。

説明会の冒頭の挨拶でも、(一社)東京都中小企業診断士協会の小黒会長より、
「診断士ばかりが話をしていて、また、その内容が難しくてわからない。」
といった話が中小企業経営者から寄せられていると、注意喚起のお話がありました。

先日、私も、新潟県の十日町の商店商店主で、仲間を集めて、経営の勉強会を行っていいるという方のお話を聞く機会がありました。

そこでは手始めに、それぞれの商店主に、「自社が提供をしている商品や機能は何か」、
という設問からスタートして、自分の商店の地域での役割を認識するところから始めているとのことでした。
その上で、自分の店の「重点商品」すなわち自店を覚えてもらうための商品(自店の逸品)は何か、
その一方で売上や利益を上げるための「中心商品」はなにか、といった質問を投げかけるそうです。

最初は、これらの答えに対し、まったく答えられない方がほとんどで、
本来ならば自店が求めれれるニーズから「品揃え」の幅と深さといった視点で考えて頂くのが趣旨だと思われますが、「わからない」というのがほとんどで、「今は○〇がトレンドだからウチの重点商品はコレ」といった答えは、良い方だったそうです。

今も一歩づつ歩を進めながら、勉強会を行っているそうですが、10名程度の参加者にこれらの質問に対する答えを認識してもらうまでに、月1回の勉強会で6か月の時間を費やしたとのことでした。

「中小企業活力向上プロジェクト」の受診企業も、多くは小規模企業です。

私の専門は、「店舗型B to C」企業の戦略とマーケティングですが、
多くの企業では、元をただせば戦略が間違っていたり、戦略そのものがなかったりというのが現状です。
しかし、それを指摘しても、何も生まれません。

まずは、現状の中でできること行い、それを進めながら、中長期のビジョンを描く作業を行う。

前出の小黒会長お話によると、「まずは、よく話を聞いて、仲良くなる」がポイントだそうです。
そのためにも、小規模企業でもできる施策の引き出しを用意しておく。

日々の情報収集やアンテナの高さが大切に、精進してまいりたいと思います。

小林 隆

コメント (2)
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