16期田代です。今日は「働き方改革」の見本となるような企業の経営理念を紹介します。
アベノミクスの3本の矢、構造改革の柱である『働き方改革』、長時間労働の是正に真剣に取り組む企業が増えてきたように思います。電通の過労自殺事件を受け、世の中の流れも、この改革を後押ししています。
「競合他社の2倍働く」というハードワーキングの精神で成長を遂げてきた「永守流経営」の日本電産ですら、2020年に残業ゼロの目標を掲げる方向転換に踏み切りました。
木造住宅販売のアキュラホームでは、春・夏休みや年末年始とは別に「9日間連続」で休暇を取ることを社員に義務付けました。それまでも長期休暇制度はありましたが、休み中は別の社員が仕事をカバーする必要があり、職場の同僚に気兼ねして休みにくかったのが実態でした。
しかし、有給休暇の取得促進や残業時間の削減など長時間労働を改めるためには、企業の生産性向上策と一体で進めることが働き方改革の実現には必要です。この考え方を30年以上前から実行し、創業以来連続黒字、平均13%の経常利益率を達成している企業があります。
2010年に「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞した未来工業株式会社(岐阜県大垣市)です。
1日の就業時間は7時間15分で、残業ゼロを目標に取り組み、年間休日140日、年末年始連続休暇20日、70歳定年、年功序列の賃金制度という、まさに「働き方改革」の見本となるような会社です。
創業者の経営理念は、
・常に考える
・他人と差別化する
・いいと思ったことは恐れずに行動に移す
・ダメならすぐに戻す
という、挑戦と柔軟性にあふれるものです。管理職から部下への命令を禁止し、ホウレンソウも禁止、営業ノルマもなし、という実に個性的なやり方を行っています。
これらはすべて創業者の「社長の仕事は、社員を喜ばせること、頑張ってもらうこと、を考えること」という言葉を実行に移したものです。
社員を尊重し、やる気と主体性を引き出すことが、生産性を最大限に高める一つの方法であることを証明している良い事例企業だと思います。