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『捨てられる銀行』

2016-12-03 22:57:03 | 事務局からのメッセージ

事務局の高橋です。

標題の本は、講談社現代新書で今年5月に発刊されたものです。
私が買った時には14刷になっており、すでに12万部を突破したベストセラー本です。

内容は、金融行政の大転換を解説しており、担保主義でなく、事業性評価をしていかないと
金融機関は生き残れないことを伝えています。
おそらく、全国の金融機関関係者がこぞって買っており、ベストセラーになっているのだと思います。

事業性評価の先駆けとなった地方銀行は、広島銀行です。
広島には自動車メーカーのマツダが工場を構え、部品を供給するサプライヤーが多数存在します。
サプライヤーなくして、マツダは成り立ちません。
しかしながら、従来の金融検査マニュアルに基づく資産評価(自己査定)では、多くのサプライヤーへの貸出取引を打ち切らざるを得ない状況です。
そこで、 広島銀行はサプライヤーを単に財務内容だけで評価するのでなく、マツダにとって欠かせない技術なのかどうかという尺度で判断することにしました。マツダにとって代替のきかない技術を持っているサプライヤーは、どんなに財務内容が悪くても、支え続けなければならないと考えました。 

地方銀行は現在すでに4割が赤字経営で、今後人口減少が続くと6割が赤字経営になると予測されています。
赤字経営から脱却するには、担保主義をやめ、地域にとって必要な産業・企業を育てていく必要があります。
ただ、担保主義に慣れすぎた銀行は、本来銀行が持つべき「目利き」を失っています。
そこで、外部の専門家を活用して企業の事業性を評価する必要に迫られています。 
私たち、中小企業診断士が活躍できる機会が増えそうですね!

私が銀行員だった頃(10年以上前)、中小企業向け融資で担保主義から脱却する時代が来るとは、予想できませんでした。
自己査定がある限り、担保主義はなくならないと思っていました。
相当なパラダイム転換です!
中小企業診断士にはチャンス!です。

今日開催された、埼玉県中小企業診断協会研修会でも、このテーマで講演がありました。
講師の経産省官僚や関東財務局長からも、中小企業診断士に期待しているとの声がありました。

今後より一層スキルを磨き、中小企業、地域経済に役立つ中小企業診断士になりたいですね。 

コメント (3)
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