第19期生佐々木辰也です。
今回も先月に引き続き内部監査をテーマにしたいと思います。
私ごとですがこの年明けから職種が変わったことにより、企業の内部監査に関係する本を読んでいます。
今回はそこで理解した内部監査の視点を中小企業にどのように生かせるのかを考えてみることにしました。
カンサ、かんさ、監査、Audit、実査、往査、調査。
企業の中では、こういった言葉は従業員を身構えさせてしまう力がありますよね。ともすると、素直にカンサに応じてしまうと自分に不利益が及ぶのではないかと不安になる従業員もいるかもしれません。
そのように身構えさせてしまうのはこれまで行われてきた体験やクチコミによるものだと思われます。しかし、カンサはその使い途を変えることで、会社全体にとって受け入れやすく有効なものになるのではないかと思います。
経営資源の制約が強い中小企業においては、可能なかぎり無駄な動きをなくし効率良く利益をあげることが重要です。
そのために、まずは会社に内部統制がうまく機能していることが重要です。内部統制(正確には内部統制システム)というのは監査用語なのですが、難しい定義はさておき、私は「部長のハンコ」「部長の承認」と読み替えています。中小企業でしたら、工場長や店長ということでよいかと思います。
つまり、社長からの権限移譲が正しく機能していて、大事な(扇の)かなめをしかるべき責任者がしっかり現場をグリップしているか、ということです。
これができていないと、現場で勝手な動きを制御できずに大きな問題となる可能性があります。
たとえば、記憶に新しいところでは、飲食店や小売店でのバイトテロ事件がありました。あのような悪ふざけが起こった背景には、店長からの想いや価値観の伝達や、従業員の倫理観やモチベーション、お客様への想い、ルールなどがうまく機能していないなどの原因があったと思われます。発生後から業務を通常復帰させ、信用を回復させるのに多くのリソースを取られることになりました。
二つ目には、まずは経営の前途を困難にするリスクを把握し、その影響をなるべく受けないように備える必要があります。
このリスク把握や統制のノウハウというのは、執行者である社長とは別の視点、独立した監査の視点からしか得られないものもあります。
たとえば、起きてはならない不正というリスクがあります。そういったリスクをどのように抽出・把握し、どのように統制すべきかといったノウハウには専門性が必要です。
最近では、某大手企業の労働組合で巨額の着服事件がありました。これからの捜査や報道でその手口が明らかになるにつれて、組織は本来どのようにリスク管理すべきだったのかという議論が沸いてくると思われます。
中小企業においても、人的資源が限られているだけに、これらの事件を他人事と見過ごすわけにはいきません。一人の従業員の業務範囲が広く、牽制が効きにくい特徴がある中小企業においても、こういったリスクが全くないとは言い切れないからです。
こういったリスクが現実のものになると、経営者の責任のみならず、従業員の雇用への影響も出てきます。従業員にとっても他人事ではないということです。
これら、内部統制やリスク管理は一時的にではなく、継続して対応していく必要があります。内部監査という機能は、これに有効に働くものと思われます。
ただし、内部監査に大きなリソースを割くことは現実的ではありません。初回の監査体系の構築などは中小企業診断士などへ外部委託してノウハウを内部化し、社長の想いを熟知してかつ適性ある人を据えて体制を整えることが最適かと思います。
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