みなさん、あけましておめでとうございます。19期生の繁野邦博です。
いよいよ2020年。
春には働き方改革関連法の残業時間上限規制が中小企業へも義務化、
夏には東京オリンピック・パラリンピック、秋には米国大統領選、
冬には嵐が活動休止など、大きな変化のある1年になりそうですね。
個人的には4月からの残業時間上限規制の中小企業義務化のお話が気になるところです。
建設業、自動車運転業、医師、新技術・新商品の研究開発業務などの
一部の業務を除き、原則として月45時間、年間360時間を超える残業ができなくなります。
一方で、長時間労働を是正する具体的な解決策がないまま、
「生産性の向上」と「残業時間削減」という側面ばかりに目を向けてしまうと
労働時間と賃金だけが減少するいわゆるジタハラ(時短ハラスメント)に発展し、
従業員の士気を下げるという結果になりかねません。
そんな中、先日遠藤さんも触れられていましたサイボウズ株式会社の
青野慶久社長の講演が、大変共感する内容だったためご紹介させていただきます。
以下のサイトで同様の講演記事がご覧いただけますので是非ご覧ください。
働き方の多様化を目指すなら「チーム戦」で挑め
離職率28%→5%を実現したサイボウズの働き方改革
サイボウズではまだ国内で「働き方改革」という言葉が広まる前の2005年から、
働き方の多様化に取り組み始められました。
当時は売上至上主義のブラックな状況で、年間28%にも昇る離職率を
何とか食い止めたかったという背景からだったそうです。
しかし、実際に辞めた方々の理由を聞くと給与、勤務地、時間、他社からの誘いなど理由は様々で、
これは何か1つやり方を変えるだけではだめだという結論に至りました。
公平な人事制度ではなく、100人100通りの人事制度を作ろうということに方針を取られました。
その後、従業員からの声を聞いてみると、
「残業したくない」
「週3日しか働きたくない」
「地方で働きたい」
「海外に行くことになった」
「友達が会社を立ち上げたので手伝いたい」
「給料に納得いかない」
などなど、出るわ出るわのオンパレード。
経営者の先輩からは、「そんなわがままを聞いていたら会社が潰れる」
という助言を受けながらも、従業員からの声を1つずつ取り入れていったそうです。
・働き方の選択(残業なし、短時間勤務、週3日勤務など)
・地方や海外も含め働く場所と時間帯を選べるウルトラワーク
・副業・複業の自由化
・退社しても再入社できる育自分休暇
・給与は転職市場での市場価格(社外相対評価)と社内での信頼度(社内絶対評価)で決定
などなど、ここでは挙げきれないほどの取り組みをされました。
その結果、2008年にはリーマンショックに加え、Googleの日本参入という大きな脅威に直面しながらも、
従業員の士気は高まり、離職率は5%まで低下、業績は右肩上がりの成長を遂げられています。
講演の中でも印象深かったのは、これまでの取り組みの過程を4象限のマトリクスで表現された以下の図です。
縦軸は「生産性」、横軸は「従業員の幸福度」。
取り組み開始時点でのポジションは左下の時代遅れの象限。
目指すのは右上のユートピア。
もしみなさんの会社に当てはめたらどのような経路でユートピアを目指されてますか?
働き方改革の「生産性の向上」、「残業時間削減」という側面にばかり目を向けると、
左上の「搾取」の象限を経て従業員の満足度を高めていくという経路になると思います。
しかし、そのような環境で働く従業員はこれから先も働いてくれるのでしょうか?
サイボウズでは、振り返ると以下のような経路を辿られています。
・先ず多様性を受け入れて従業員一人一人の幸福度を追及していく。
・するとどうしても時間的、地理的な制限が出てくるため、常に仕事や情報をシェアしないといけなくなる。
・常に情報がシェアされるとチームワークが生まれる。
・チームワークが当たり前になると互いの強みを出し合うようになり、イノベーションや仕事の全体最適が進む。
・イノベーションや全体最適が進んだ結果、生産性が上がっていく。
ベンチャーの情報通信業が長年かけたからできた人事制度や仕組みという部分もあるかもしれませんが、
①従業員の幸福度の向上、②チームワーク、③生産性向上
今後企業内やお客様支援の活動の中でも働き方改革を考える上で大事にしたい順番だなと思いました。
みなさんはどう思いますか?
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