こんにちは。20期の安納です。
先週末は稼プロ!合宿でした。講師の皆様から貴重なお話を賜るとともに、同期との親交を深めることができました。事務局の皆様におかれてましては、準備から運営まで多大なご尽力をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて、御礼申し上げます。
昨日11月4日は「中小企業診断士の日」でした。普段は主にWebシステムの制作に従事しており、IT分野ではそこそこ知識の充足が図れているのではないかと思っているものの、なかなか目にすることや経験ができない業界もあります。中小企業診断士たるもの意識的に異分野の理解にも取り組まねばならない、と思いますので、この課題に応じたいくつかの取組について書きたいと思います。
バリューエンジニアリング(VE)を学ぶ
診断士1次試験の運営管理分野でおなじみかと思います。価値=機能/コスト で表し、その最大化を追求するもので、日本語で「価値工学」と訳されます。機能定義→機能評価→代替案の作成、の流れで実施され、モノ自体を目標にせず達成するべき機能を明らかにすることにはじまり、複数の施策を練ってスクリーニングし、実現に向けて取り組みます。
とあるご縁からVEを学ぶ勉強会に参加する機会があり、バリューエンジニアリング協会が認定するVEリーダー資格を取得しました。協会会員や有資格者は、四半期に一度発行される会報を閲覧できます。会報では、機械部品設計、地下鉄工事現場の足場づくり、ホテルの宿泊率改善など、製造業を中心にサービス業も含んだ多岐にわたる事例やトレンドを紹介しています。一般に異分野理解においては、素材や手法などの専門性を伴う知識が壁となりますが、VEのベースがあると「機能」を通じて説明されるので、専門でなくとも大枠を理解することができます。
SDGsへの取組が要請される昨今、資源や手法の代替案を考えリソースのムダを削減しようとする試みは、より重要性を増していくと思います。当協会では教育分野における取組も進めています。若い世代がチームを組み、達成したい機能を捉えて代替案を評価しあえるような環境が整備されることは、今後の教育において大変有意義です。また、便益ばかりでなく「不便益の実装」についても研究を進めています。便利を強化してすべてを人の手から奪うのではなく、便利でない部分を残して人を楽しませるようなニュアンスです。AIと共存する社会を構築するにあたり、示唆に富む試みだと思います。
TRIZを学ぶ
トリーズと読みます。VEの会報で知りました。旧ソ連の特許審査官が膨大な申請書類を研究し、その考え方を体系化したものだそうです。
本邦では高木芳徳氏の著した「トリーズ(TRIZ)の発明原理40 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考支援ツール」という書籍があります。タイトル通り、40の発明原理が類型化されイラスト付きでまとまっています。そもそも科学的な思考法でして、自分などは詳しい内容の理解まで及ばない部分(特に発明原理をクロスさせるマトリクスなど)が多々あります。イラストと添えられている説明を眺めるくらいの読解ながらも、異分野を理解するための基礎を育めるような気がしています。
中小企業診断士の役割は診断と助言にあります。診断においてはモレなくダブりのないよう対象を捉えることが大切である一方、助言においてはブレークスルーを目指し、どこかに尖った部分を持っている必要もあります。TRIZで用いられる考え方(例えば、物事をわざと偏らせるなど)を少し借りてくることができれば、意外な創意に結び付けることができるかもしれません。パラパラとページをめくりつつ、身近な物事とイメージを対応させて楽しんでいます。
「工場」+「動画」から学ぶ
動画サイトなどで「工場」+「動画」のキーワードで検索し、表示されたものを閲覧します。工場見学せずとも、モノが生産される過程を観察することができる、いい時代になったなぁ、と思います。
完全に自動化されたラインを楽しむよりも、半自動化と申しますか、一部の工程で人力が介在しているほうが見ごたえがあります。機械とともに熟練した作業で奏でるハーモニーを拝見していると、まさにマンマシンチャート、負けるな人間、とスポーツチームを応援しているような気持ちになります。
スチームパンク的世界観が好きなこともあり、最近のお気に入りは、クリーニング工場の映像です。しわ伸ばしや整形に特化した機器がスチームをあげながら布を伸ばしていく工程や、機械ではカバーできないベルト付近のしわや装飾にそってアイロンをあてるスタッフさんの熟練した手つきを見ていると、時間が立つのを忘れてしまいそうです。
異分野を学ぶ、としながらも、ものづくり現場への憧れからか製造系に話題が寄ってしまいました。今後はより広い分野を学ぶためにも、様々な情報ソースの探索を続けていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。