みなさん、こんにちは、稼プロ!23期生 佐野紳也です。
中小企業診断士にとって必要な能力に「言語化能力」があると思います。経営者の考えを聞き取り、言語化する能力は、経営診断、補助金支援、創業計画立案などさまざまな場面で必要となっています。
それに加え、私が必要と考える能力に「図式化能力」があります。図式化することで、重要な論点が抽出され、枝葉末節がそぎ落とされ、本質が見えてくると思います。さらに、論理的な整合性を確認することが可能となると思われます。図式の種類にもいろいろありますが、私が好きなのは「因果関係図」です。発生している事象の原因と結果を結びつけて示すものです。
たとえば、経営書の名著の一つに伊那食品株式会社元代表取締役会長の塚越寛氏の「新訂 いい会社をつくりましょう」(2012年、合同会社文屋)があります。経営のさまざまな局面で塚越氏の経営哲学が示されていますが、全体像を説明した部分がないように思われました。そこで、独断ですが、同書の内容を大胆に図式化してみました。
塚越氏の意図と異なる可能性は多分にありますが、図式化することで、塚越氏の経営哲学の全体像を短時間に把握でき、かつ、各施策がどのような結果や社会への影響を与えているか、明確になっているのではないかと思っています。今後も、図式化を活用することで、診断士活動のクオリティを高めていきたいと思います。