こんにちは、20期生の岡田です。2月~3月は個人の確定申告を実施する時期です。もうお済でしょうか。確定申告には、医療費控除や住宅ローン減税など還付を受けるための申請もありますが、収入がある人は経費などを差し引いた所得を計算して納税額を申告する納付のための申請もあります。サラリーマンは年末調整で納税額は計算されますので、確定申告というと前者をイメージすることが多いと思います。
中小企業診断士の資格を取得する前は、小生も前者の印象しかなかったです。資格取得後に報酬をいただく機会にも恵まれて、後者の関りも生まれました。さらに、インボイス制度がスタートし、東京都中小企業診断士協会も会員に登録の推奨がなされるなど、小生を取り巻く環境が変化しました。その影響で、今年の確定申告は初めて青色申告となりました。
昨年のインボイス制度登録から始まり、今年の青色申告までに調べたこと、経験したことを簡単に振り返ってみます。何か特別なことがあるわけではありませんが、これから青色申告を始めようと考えている人にとって参考になることがあると嬉しいです。
1. インボイス制度登録
昨年10月の制度開始前に登録手続きをしました。インボイス制度登録は個人事業主としての開業届を出していなくても、個人で登録することは可能です。ただし、事業内容を記載するところがありますので、何か自分の事業を設定することになります。東京協会の記入例では「中小企業診断士業」となっていました。
2. 開業届
インボイス制度登録で事業内容を記載して提出したら、開業届の提出要件である「事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出」が気になります。開業届を提出せずにインボイス制度だけ登録するのはバランスが悪いと考え、開業届を税務署へ提出することを決めました。なお、開業に関する届け出は税務署だけでなく、都道府県税事務所にも必要です。小生は当時知らなかったので、県税事務所に1年遅れで連絡しました。「特に罰則規定はないですが、提出はしてください」と言われました。
3. 青色申告申請書
開業届を提出するのであれば、青色申告申請をすることで報酬等から得られた収入に課せられる税金の節約ができます。ご存じの通り青色申告で電子申請すると基礎控除が最高65万円もあります。実際に青色申告をしてみて、昨年の白色申告に比べた節税効果を体感しました。申請書には簿記方式、備付帳簿名を記載します。65万円の控除を受けるために簿記方式は複式簿記を採用しました。
4. 青色事業専従者給与に関する届出書
これは、ご存じの通り、配偶者に渡す給与を経費として計上するためにする届けです。これも白色申告にはない特例です。届け出には専従者の給与額と業務内容を記載します。配偶者を専従者とすると、支払った給与は全額経費に算入できますが、自分の所得の扶養控除が受けられなくなるというトレードオフがあります。どちらが得かは状況によりますので一概には言えません。なお、給与ですので所得税の源泉徴収が発生しますが、月88,000円以下の場合は源泉徴収額がゼロになります。
5. 源泉所得税の納期の特例に関する届出書
青色事業専従者給与を支払う場合、源泉所得税は給与額が一定額以下であればゼロになりますが、その報告が必要です。基本的には毎月納付するのが源泉所得税の決まりですが、この納期の特例を申請すると報告が半年に1回となります。
6. 所得税徴収高申告書
前述の通り専従者給与を支払う個人事業主が納期の特例を申請すると7月と1月に源泉所得税の申告をします。仮に源泉所得税がゼロ円でも申告する必要があります。さらに、1月には市役所に給与支払報告書を提出します。このように配偶者給与を経費算入するのは、それなりに手間がかかります。
7. 複式簿記による収支管理
複式簿記による収支管理をすることを申請した場合、市販の会計ソフトを利用して管理するのが便利です。中小企業診断士は試験対策で簿記の基礎を勉強しているので、それほど苦労することなく対応できますが、実際やってみると細かい点で思うような記録とならないことがあります。
8. 青色申告
今年初めてやった青色申告。これは有名どころの会計ソフトを使うと楽に申告できます。e-Taxで申告すると自宅で休日でもできるのが便利です。ただし、小生は会計ソフトの入力に慣れるのにだいぶ時間がかかりました。
9. 消費税納税
青色申告が終わると、マイナポータルに消費税納税の通知が来ました。これには電子納税で対応できます。これで、インボイス登録から始まった一連の対応が完了です。ちょっとホッとしました。
この1年間、新たな取り組みでいろいろ勉強になりました。何事も経験ですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。