皆さんこんにちは
17期スケさんこと永井裕介です。
寒さがこたえる季節となりました。
お体にはご留意ください。
詩人 谷川俊太郎さんの訃報を聞き、
「火」「水」「人間」に対する三つのイメージを詠った
『あなたに』を思い出しました。
「あなたに
流れやまぬ水のイメージを贈る」
2019年の初夏、
宮崎先生のもと、嫁せプロ先輩達と朗読コンサートに初挑戦し、
先の2行をO先輩と声を合わせて朗読しました。
すると、
【あなたに】【流れやまぬ】【水】【イメージ】【贈る】ごとに、
「駄目、声が合っていない」「駄目、お腹から声を出して」「水が濁ってしまう、もう一度」
「声が届かない、もう一度」 駄目もう一度! 駄目もう一度! 駄目!駄目! …
何百回復唱したことでしょう。
もう一杯一杯でどうしてよいかわかりません。
60歳になり女房以外からダメ出しされることなんか無かった私にとって、
強烈な体験でした。
5年ぶりに台本を引っ張り出してみました。
あれ以来はじめてのことです。
「火と水と人間の
矛盾にみちた未来のイメージを贈る
あなたに答えは贈らない
あなたに ひとつの問いかけを贈る」
この詩の最後のフレーズです。
解説を読むと、本詩は谷川さんが後輩である豊多摩高校生徒の願いに応え、
特に創作したもので、以降毎年卒業式で3年生が朗読しているそうです。
当時の私はそんな状況も知らず、自分のセリフだけで汲々としていたから、
何度もの駄目出しは当然だったのですね。
高校生である「あなた」へのエールをイメージしなければ!
そこで久しぶりに声に出してみます。
「あなたに」…
「あなたに」…ん?
「あなたに」…あれっ?
やっぱり何か違うような気がします。
でも何がどう違うのかわかりません。
「あなたに答えは贈らない
あなたに ひとつの問いかけを贈る」
高校生だけでなく65歳にも
この詩は何かを問いかけてきます。