東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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何かを捨てることで、何かを得る(続き)

2013-07-25 20:00:00 | 13期生のブログリレー

こんにちは、松田越百(まつだ・こすも)です。

前回のエントリーで、「何かを捨てることで、何かを得る」ことについて触れました。今回は、そのコンセプトで成功している実例をご紹介します。

私は趣味で写真を撮っているのですが、リコーのカメラの大ファンです。実に、5台所有しているカメラのうちの3台はリコーのカメラです。しかし、特に写真に興味のない方は、リコーがカメラを生産していることもご存知ないのではないでしょうか?リコーのカメラは一般的な認知度は低いのですが、マニア層の一部には大変熱心なファンがいます。そんなリコーの機種の中でも、特に高い支持を得ている「GR」というシリーズがあります。

http://www.pentax.jp/japan/products/gr_special/

このGRシリーズは、フィルムカメラとして1996年に初めて市場に投入され、2005年には初のデジタル製品である「GR Digtal」に進化。その後もほぼ2年おきにモデルチェンジを繰り返し、2013年5月には現行機種である「GR」が発売されました。

実に17年という長期間にわたり、単一シリーズとして維持されてきた超ロングセラー製品です。最新機種である「GR」も、価格コムのデジタルカメラ分野の注目ランキングでは4位に入るという健闘ぶりです(本エントリー執筆時点)。

http://kakaku.com/camera/digital-camera/

歴代のGRは、廉価なコンパクト・カメラと、本格的な一眼レフの中間である、「高級コンパクト」と言われる製品カテゴリーに属します。価格帯でいうと大体4万円から5万円、便利で高性能なズームレンズと、高品位な大型撮像センサーを搭載した機種が多いカテゴリーです。

そんな中、最新のGRは、便利なズーム・レンズではなく単焦点の固定レンズを採用しています(歴代GRの共通コンセプト)。また、市場価格は約8万円と、同カテゴリー製品の平均を大きく上回る価格です。そんな機種にもかかわらず、価格コムの注目ランキングでは4位に入る人気ぶりなのです。

なぜGRはそれほど支持されるのでしょうか?

少し前の記事ですが、その秘密に迫る、GRのブランドマネージャーへのインタビュー記事があります。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20101001/1033237/?rt=nocnt

記事中にもありますが、GRシリーズに共通するコンセプトは、他製品にあるはずのものが、「ない」ことなのです。

  1. モデルチェンジしてもデザインが大きく変わら「ない」

  2. あると便利なもの(ズーム/レンズ交換)が「ない」

  3. マス広告をし「ない」

何故「ない」ことが成功につながっているのか?

まず、ズーム/レンズ交換という便利なものを諦めたことで、次のメリットが得られました。

  • レンズと撮像センサーの位置が固定されるので、光学設計が容易になり、高品位な画質が得られる。

  • 機構が簡単になり、ボディが軽く、小さくなる。

  • 焦点距離が一定なので、カメラが捉える視界の範囲(「画角」と言います)が一定になる。慣れればファインダーを覗かなくても、どんな画が撮れるか感覚的につかめるようになる。

  • 製品コストを低く抑えられる。

これにより、GRは、常に片手で携帯して、瞬間的なシャッターチャンスを高画質で捉えられる、「高品位スナップ・シューター」という特性を手に入れました。

次に、小型軽量なボディ・デザインを代々受け継ぐことで、「GR=瞬間的なシャッターチャンスを狙うためのスナップ・シューター」という、ブランドイメージを維持・強化して来ました。デザインを大きく変えないことは、開発・設計費の低減にもつながります。

さらに、マス広告をしないことで、当然ながら製品の価格を低く抑えることができます。

全体をまとめると、GRシリーズは、多くの消費者にアピールするわかりやすい製品設計や広告を諦めたことで、スナップ撮影という特定用途では抜群の使いやすさを発揮する、ニッチ市場向け製品の成功例と言えます。もちろん、ニッチ市場向け製品というポジションを取った時点で、大きな市場シェアや、大きな販売台数を諦めていることも見逃せません。量産効果によるコスト低減が狙いにくい、というデメリットは、広告費や開発費の抑制でカバーしているのだと思います。

GRシリーズの「何かを諦めたことで、何かを得た」という事例は、特にリソースに制約の多い中小企業にとって、参考となる差別化戦略ではないでしょうか。事実、冒頭に述べた通り、リコーはデジタルカメラ市場の中では小規模プレイヤーになります。そんなリコーだからこそとり得た戦略かもしれません。

追伸:趣味丸出しの話ですみません。

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十少十多の健康訓

2013-07-24 20:00:00 | 診断士林からのメッセージ

ブログをご覧になっている皆さま

中小企業診断士の林です。暑い日々が続きますね。でも、この暑さとともに、夏というのはなにか活気ある雰囲気を感じます。その雰囲気が私はとても好きです。自分も周囲から活力を得られる気がします。四季のそれぞれの良さを感じながら、充実した日々を送りたいものですね。

さて、この暑さを乗り切って充実した日々を過ごすためには、なにより健康でありたいものですよね。

昨年のブログでも紹介したかもしれませんが、健康を維持するための「十少十多の健康訓」というものをご紹介します。

1.食うこと少なくして噛むことを多くせよ

2.乗ること少なくして歩くことを多くせよ

3.着ること少なくして浴びることを多くせよ

4.悶ゆること少なくして働くことを多くせよ

5.怠けること少なくして学ぶことを多くせよ

6.語ること少なくして聞くことを多くせよ

7.怒ること少なくして笑うことを多くせよ

8.言うこと少なくして行うことを多くせよ

9.取ること少なくして与えることを多くせよ

10.責めること少なくして誉めることを多くせよ

「病は気から」と言いますが、健康はなにも体力作りに励むことや食べ物に気を遣うことだけではないように思います。それよりも、心の健康が体の健康につながっていると思うのです。それは私自身がなんとなくこれまでの経験からそのように感じるだけかもしれませんが、上記の「十少十多の健康訓」は、その私の思うところを見事なまでにメッセージとして伝えてくれていて、とても好きな教訓です。

ブログをご覧になっている皆さまも、仕事に精を出して、そして心の健康を保って、楽しい夏の日々を過ごしていただきたいと思います。

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7/20(土)のスキルアップゼミナールに参加しました

2013-07-23 23:09:14 | 13期生のブログリレー

こんにちは、13期生の服部です。

7/20(土)にTOKYO SMECAスキルアップゼミナール「再生支援における事業計画の作り方(演習編)」を受講しましたので、

今回はそのレポートを書いてみたいと思います。

 

■セミナー概要

再生支援の現場において必要とされる事業計画の作り方を、事例ケーススタディを使用して、演習形式で学ぶものでした。

4~5名を1グループとして、討議をしながら「クロスSWOT」と「カテゴリ毎の窮境原因と課題」「解決策提案」、

「解決策実行による0~3期分ののPL(営業利益まで)」を完成させ、各グループ8分程度で発表をしました。

 

■事例ケース(概要)

複数店舗を持つ中小企業でした。

配布された基礎資料も、講師の先生よりお話いただいた企業の状況も、「徹底的に改善が必要」と思わせるような内容

でした。(いただいたレジュメに「守秘義務を・・・」とありましたので、かなりぼかして書きました)

 

■討議グループのメンバについて

私がご一緒させていただいた方々は、お1人は大先輩の技術系のプロコンの方、あとのお2方は企業内診断士の先輩方と

いう構成でした。

実質2時間半程で仕上げなければいけないという時間的制約がありながらも、様々な視点からの分析と解決策が出てまと

まっていく様子は、さずが診断士!と感じました。(もちろん私も積極的に討議に参加していました)

 

■今回のセミナーでの学び

1)実抜計画(実現性の高い抜本的な経営改善計画)

 再生支援における事業計画は、「銀行に納得してもらう」ことが特に重要とのことでした。それだけに、より説得力の

 あ解決策を盛り込む必要がありました。

 「顧客単価向上による売上アップ」などと安易に考えるのでなく、それよりも

 ・まず対策すべきところはどこか

 ・具体的にどう対策するのか(そして定量的な効果も)

 を見極めていかなければならないのだと感じました。

2)解決策はたくさん出す

 今回の演習では、特に「窮境原因」と「解決策」に力を入れるよう、講師の先生より指示がありました。

 解決策の候補が多くあれば、もし取組んだものがうまくいかなかったとしても第2の手、第3の手を打つことができると

 いうことでした。

 経営者の方に、再生に向けて継続的に取り組んでいただくためには、様々な角度からのアイデアを出しつつ、原因を1つ

 1つ解決していく必要があるな、と感じました。

3)データの説得力

 グループメンバの中に事例業界の様々な指標値をネットで調べ、改善アイデアを出していた方がいらっしゃいました。

 「業界標準値」を基点にしたアプローチというのも1つの方法だなと思いました。

 

 

あと、説得材料として各種経営指標や簡易キャッシュフロー等を計算する必要がありましたが、意外に公式を忘れていました。

早めに勉強しなおしておきます・・・。

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2回目の、、、、

2013-07-22 22:10:37 | 13期生のブログリレー

こんばんは、皆様。

さて、リレーブログも2回目になりました。

2回目と言えば偶然ですが、先週2回目の実務補修を受けてまいりました。
ちょうど、先週の月曜日が最終日。
2月に初回、7月、9月で3回受講して、晴れて登録となる予定であります。

思い返せば、冷汗が出るような初回の受講。
班長としてまとめ役をやりつつも、報告内容の伝え方に

『ストーリー性が欠如』

しており、「これでは客先に伝わらないよ」との指導員先生からの指摘を受け、
ストーリーの修正を数回。
自分の伝える能力の低さを実感しました。
(指導員の先生には大変ご迷惑をおかけいたしました。)

いつも会社では「共通言語、標準語」があって、それで通じていたのでしょう。
自分ではそれなりに伝える能力はあると思っていたのですが、結果、惨敗した感じで一杯(または一敗)
「井の中の蛙」であることがよくわかりました。


そして迎えた2回目。
今回は班長ではないものの、

『伝えること』

をとにかく意識して挑みました。

担当は人事・労務・組織。
これまでのキャリアでも全く考えたことのない分野でしたが、診断先の運営で欠けている点と
それに伴う人の活用策を提案しました。

しかし、診断先様からの感想は、

「アイデアはいいのですが、パート・アルバイトを活用してどこまでできるかが問題ですね。」

の一言。
要するに、

『具体的ではなかった』 ≒ 『実現性に乏しい』

提案だったということでしょうか。

2次試験の受験対策では、
「アドバイスを求められたら具体的にどうやってやるかも解答に盛り込みましょう」
と散々習ったはずなのに、やはりできていない。

2回目は 『根本的なコンサル能力』に課題 が残りました。

実務補修で限られた中で、制約があるとはいえ、やはりなかなかうまくいきません。

いや、むしろ、実務でいきなりこんな状態にならず

『気づき』を与えてくれている『実務補修制度』

に感謝しなければならないのかもしれません(^_^;)

3回目はなんとか、『少しはいい結果を残せた』、と思える提案をできるように、
次回9月まで精進したいと思います。


西村

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とりあえず

2013-07-21 11:07:04 | 講師大草からのメッセージ

こんにちは。
稼げる!プロコン育成塾 サポーターの大草 昭人です。

私は11期生なのですが、入塾のきっかけは育成塾のオリエンテーションに
参加したことでした。
オリエンテーションの案内をいただいた時、私は「マスターコースって何?」という状態で、
マスターコースが何なのか知りませんでした。

そのため、マスターコースに入ろうというつもりはなく、オリエンテーションに
参加する積極的な理由はなかったのですが、当日は予定が空いていましたし、
マスターコースとはどういうものなのか聞いてみようと思い
「とりあえず参加する」ことにしました。

この時、「とりあえず参加しない」という選択をしていたら、
私は入塾していなかったでしょうし、
今こうして事務局を務めさせていただくこともありませんでした。
そう考えると、ゾッとします。

育成塾以外でもとりあえずやってみたものがあります。
その中には今でも続けているものもあります。

さして興味がなかったとしても、とりあえずやってみることで、
大きなものが得られる場合もあります。
どこで何が得られるか分かりませんね。

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