こんにちは。塾長の鴨志田です。
4月もまもなく終わろうとしています。今年は、甥が新卒社会人としてスタートをきりました。
そして4月は、多くの企業で新入社員研修が行われます。そこで、必ず、取り上げられるのが「ほうれんそう」です。文字どおり、報告、連絡、相談の1文字目だけを連ねた語句です。
ところで、「ほうれんそう」という言葉は、いつから使われているかご存知ですか?
……山種証券で、昭和57年(1982年)に、当時の社長である山崎富治氏行った、全社員に野菜のホウレン草を配る“ほうれんそう運動”がきっかけといわれています。
今日は、以下の本から抜粋して、「報・連・相」について、紹介します。
●山崎富治著『ほうれんそうが会社を強くする 報告・連絡・相談の経営学』ごま書房
組織づくりは、ホウレン草づくりと同じ
品質のよい野菜のホウレン草をつくるには、種を選び、目が出たらこまめに水や肥料をやる必要があります。酸性の土だと育ちにくいので、土をアルカリ性に変えるなど、土壌づくりも大切です。では、会社の“ほうれんそう”に必要な光、水、肥料とは、何に該当するのでしょうか?
1)水
社内の人間関係(ヒューマン・リレーション)が該当します。ホウレン草は、水分がないとみずみずしさを失い、生長するどころか、枯れてしまいます。同様に、職場でも、円滑な人間関係がないと、みんな孤立して息苦しくなり、生き生きした活動など望めなくなります。
2)光
光に該当するのはポストであると指摘しています。大きく伸びそうな植物にはも、どんどん光を当てるように、見込みのある人材には、やりがいのあるポストを与えることが大切なのです。
3)肥料
肥料に該当するのは、給料です。いくら、水や光があっても、立派なホウレン草を育てるには、適度な肥料が必要なように、人材も、十分な給与や賞与を与えることで不満なく仕事に全力を投入できるのです。
そして、“ほうれんそう”は、“賛成”土壌には育たないと書かれています。
すなわち“イエスマン病”、上の言うことは、ハイ、ハイと無批判に下へ伝えられるが、下からの批判や、否定的情報が上には伝わらないという意味です。
以上は、本に書かれていることの”さわり”でしかありません。
この本は、もう、販売されていないと思いますが、目次から章立てだけ以下に紹介します。
1章 ”ほうれんそう”は、組織活性化の最良の栄養素
2章 ”ほうれんそう”は、こうすれば立派に育つ
3章 ”ほうれんそう”を育てる8大栄養素
4章 ”ほうれんそう”を枯らす8大病原菌
5章 ”親子ほうれんそう”の育て方
そして、(当時)ハーバード大学教授のエズラ・ヴ―ゲル氏が、”ほうれんそう”について 報告(Information)、連絡(Communication)、相談(Consultation)の3つの頭文字をとると INC(=会社)となり、”ほうれんそう”は、経営の原点であるとメッセージを寄せています。
こうしてあらためと”ほうれんそう”について、山崎氏の本をもとに学んでみて、私たちコンサルタントは、経営者の良き相談相手であると同時に、経営者との”ほうれんそう”を確実に行える関係になることが、必要不可欠であると実感した次第です。人に指導する立場として、当り前のように”ほうれんそう”を口にするのではなく、”ほうれんそう”が生まれた背景を踏まえて、活用していきたいと思います。