東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

KPIマネジメント

2018-02-23 21:00:00 | 17期生のブログリレー

17期の永井ゆうくんです。

私の勤めている会社は3月決算のため、ここ暫くは翌年度の予算編成業務に追われていました。 

昨年11月以降、数回にわたる会議体を経て、最近になりようやく山場を超えたという感じです。


この中で、販売施策やコストダウン施策等について、施策そのものの進捗を明確する目的から、当社ではKPIマネジメントを導入しています。

このため、KPIマネジメントに関して、私自身の知識レベルを高めるべく、これまで勉強してきました。今回は、その内容をご紹介したいと思います。


(1)定義

 KPIKey Performance Indicator:重要業績評価指標)

 ・対象となる事業活動において、定める目標の達成度合いや、目標達成に向けた主要な活動の進捗状態を図るための定量的な指標

 ②KPIマネジメント

 ・各種分析検討に基づくKPIの設定と、それに必要な取り組みの導出

 ・KPIの測定と、KPIの実効性についての検証と必要に応じた改善

 

(2)KPIの種類

 ①KFIKey Financial Indicator:重要財務指標)

 ・活動の最終的な結果を示すもの。売上、利益、市場シェアなど。

 ②KRIKey Result Indicator:重要結果指標)

 ・KFIにつながっていく、「目指すべき姿」がどの程度成立しているのか把握するもの。

  顧客満足度、顧客推奨率、リピート購入率、見積もり獲得数など。

 ③KAIKey Action Indicator:重要活動指標)

 ・KRIを高めていくためのアクションをどのくらい実施したか把握するもの。

  顧客訪問数、記事発信件数、新規コンタクト件数など。

 

(3)KPI導入事例

 ①日本航空

 KRI:定時到着率(遅延15分未満のフライトの比率)

  ⇒顧客満足度向上による売上向上を実現。

 ②株式会社あさひ(自転車小売業)

 KRI:「サンキュー点検(390円でメンテナンスを行うサービス)」の登録者数

  ⇒メンテ客を定期的に来店する仕組みを推進し、売上UP

 ③小林製薬

 KRI:新製品寄与率(全体売上のうち、発売初年の新製品が占める割合)

  ⇒イノベーション創出を指標に落とし込み、常に新製品が一定数リリースされている状態に=成長の源泉に。

 ④SBI証券

 KRI:ありがとう率(コールセンターでの応答件数のうち、御礼をいただけた割合)

  ⇒顧客視点を自然と意識でき、顧客満足度向上につながる取り組み。

 

(参考資料)「KPIマネジメント(2017.10.28)」著者:楠本和矢

 

つまるところ、KPIとは、KAIKRIKFIをつなぐ「戦略ストーリー」を考えることにあります。

そのうえで、戦略に紐づく施策(戦術)そのものの進捗を明確にすべく、定量的指標(あるいは定性的指標)を使用するということです。

上記でご紹介したような大企業のみならず、中小企業においても活用できる考え方なのかどうか…。

皆さん如何でしょうか?

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルカリ、やってます?

2018-02-22 08:45:14 | 講師亀田からのメッセージ

講師の亀田です。

 

みなさんはフリマアプリ、メルカリを使ったことがありますか?

私も昨年末から始めたばかりですが、はまっています。

それまでは、「なんか面倒くさそう。」「個人情報を漏洩させたくない」なんて、理由から「やらず嫌い」でいました。

でも、実際にやってみると、先入観を覆す発見がありました。今回は、その発見をご紹介したいと思います。

 

と言いつつ、まずは基礎情報を。

そもそも、フリマアプリとは、 オンラインを利用して、個人間での物品の売買を行えるスマートフォン向けアプリのことを言います。

 

「オンラインでの個人間での物品の売買」というと、

インターネットオークションをイメージしやすいですが、

フリマアプリはオークションではありません。

 

そのため、オークションでは初期価格を入札者が競り上げてゆきますが、

フリマアプリでは販売価格は出品者が設定し、

その金額にてユーザーが購入するという仕組みです。

 

なので、「フリーマーケット」アプリなんですね。

 

発見1 「安心の入金システム」

 

フリマアプリでは、先払いされた代金を事業者(メルカリ)がいったん預かって

購入した商品の到着が確認され次第入金されるシステムが使われています。

 

利用者同士のやり取りに運営者が間に入ることで、「支払ったのに商品が届かない」といった、

個人間取引で心配なお金のトラブルが起きづらくなっています。

 

 

発見2  「面倒くさい」という点も、わかりやすい利用ガイドがあるので簡単

 

メルカリには初めてフリマアプリを使う方にもわかりやすい利用ガイドがあります。

出品するときも、カメラが立ち上がり、 画像編集画面に移り、必要事項を記入すれば完了です。時間にして5分程度。

 

 

発見3 独自の配送方法「らくらくメルカリ便」!

 

商品の発送には宅配便、郵送など様々な方法がありますが、

メルカリでは「らくらくメルカリ便」という独自の配送方法が利用できます。

その中身はヤマト運輸の配送サービスですので、安心です。

 

らくらくメルカリ便を利用すると、

 なんと、匿名配送がができ、お互いに名前・住所を伝えずに取引可能なんです。

しかも、コンビニ(ローソン)で手続きちゃいます。

 

これで、「個人情報を漏洩させたくない」という不安も払拭できました。

 

 

どうでしたか?この発見を知っていただけたら、まだの方もチャレンジしたくなったのではないでしょうか?

 

実際にメルカリで売買すると、個人商店の感覚になってきます。

いくらで販売すれば売り易いのか?利益はどれくらいまで最低欲しいのか?などなど。

 

デジタル化の進展により、多くの方に商売のチャンスを提供してくれた、素晴らしいアプリだと私は実感しています。

 

「とにかく百聞は一見にしかず」が私の最近のキーワードです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「起業の科学」について

2018-02-21 06:00:00 | 17期生のブログリレー

17期生 設楽です。

前々回の投稿で「診断士になる前は読書会を主宰していた」と書きましたので、今回は本領発揮(?)すべく、最近読んだ本の中から「起業の科学」を紹介することにします。黄色い表紙がまぶしく、本屋さんにいくとそのインパクトの強さで非常に目立ちます。

紹介する理由は単純で、(診断士であるなしにかかわらず)周りの方に奨めたところ評判がよかったことと、面白い上に勉強になったからです。加えて、Amazonで17週連続で経営書売り上げランキング1位(2/11現在)になっているというのもあります。

この本の凄いところは、とにかく「(ベースとなっている)スライドが緻密で完成度が高い」ことと「事例として挙げられている企業の行動が具体的に書かれている」ことにつきます。
著者の田所氏いわく、「スタートアップの多くが、ファイナンス、資金調達、資本政策、投資交渉の知見がないために失敗する。」とのことで、そのリスクを(なくすことは出来ないけれども)低減することは出来る、そのために書いたそうです。

内容ですが、スタートアップが起業した時点からスケール(市場拡大)に至るまでを時系列に沿って書かれています。目次は、
第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)
となっていますが、分量的には第1章だけで1/3を占めており、やはりスタートアップは最初が肝心であるということを感じました。

ただ、診断士の視点で見ると、創業支援の場で(この本に書かれている内容を)当てはめることが出来るかというと、必ずしもそうではないというのが私の感想です。というのは、スタートアップというのは起業の中でもごく僅かなケースについてのみ当てはまるもので、それ以外の起業は「スモールビジネス」に分類されます。いままで世の中になかった(市場が存在しない、もしく存在するかどうかがわからない)ものに製品をローンチする、これがスタートアップの定義ということです。すなわち、多くの起業は市場は既に存在することが前提になっており、それらは(スタートアップではなく)スモールビジネスであるという点を学びました。第1章に更に細かい説明がありますので、読まれる方はご参照ください。。
ということもあり、各章で多くのフレームワークが提供されていることもこの本の魅力なのですが、診断実務の場で使えるかというとそれも違うと感じました。ただもちろんですが、一部は使えます。具体的には、PEST分析、顧客生涯価値向上、顧客獲得コストの低減、などが該当します。大変勉強になりました。

ただ、診断士の業務に直結するかしないかはともかく、この本の面白さはあくまでも数多くのスタートアップ企業が実例として挙げられているところです。あまり多くのことを書くとネタバレになるので控え目にしますが、「グルーポンは創業当初はクーポンを共同購入するというビジネスモデルではなかった」「インスタグラムは写真共有ではなく位置共有がメインのビジネスモデルだった」など、「おおっ、これは知らなかった!」と思うところがいくつもあり、とにかく読み手を飽きさせません。

それからこの本で最も共感したのは「自分が考え出したアイデア、ソリューションが人生を賭けてまでやる価値があるのかどうか?」という問いかけでした。私は(ステレオタイプ的に)起業というと「生きるか死ぬか」というイメージがあるのですが、起業(スタートアップ)というのは(生死はともかく)人生を賭けないとできないものだと改めて認識しました。

なお、この本については通常とは違う読み方をお奨めします。実はベースとなっているスライドの2018年版が1月8日にローンチされており、本を購入した人は無料で入手できます(期間限定)。詳細はこちらのリンクをご参照願います。

本の中では(紙面の関係上)スライドの全てが紹介されているわけではないので、スライドと本を照らし合わせながら相互補完をするとより深く内容が理解できます。本を読み、ページが進んだら該当するスライドも進めていく。一見面倒な読み方だと受け止められそうですが、実際やってみると面白かったです。

以上です。というわけで、稼プロ!ブログで初めて本の紹介をさせていただきました。前にやっていた読書会と違い、ネタバレをどこまでしていいかのさじ加減が難しいと感じました。読書会では、周りの雰囲気によってどこまで話すかをコントロールしていたのですが、ブログだとそれが出来ないので難易度が高いです。このあたりは場数を重ねたいというのもあるので、卒塾までにもう1回本の紹介をやってみたいと思っています。

最後に、本の紹介とは違う話になりますが、昨日とある記事の入稿をいたしました。この記事では私がとりまとめ役を担っており、正月明けから短期間で取材から執筆・校正まで一気に駆け抜けました。大草さんが当ブログ(執筆時終了時)で書かれていたような完成度の高い記事に出来たかどうかはともかく、私および執筆メンバーの持てる力を出し尽くしたことが読者に伝わることを願っています。

設楽英彦

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

診断士の活躍に向けて

2018-02-20 07:55:20 | マスターコース説明会・見学会のご案内

こんにちは。17期の金岩由美子です。

 

以前に「企業内診断士の有効活用」について、中小企業庁とともに検討していく旨を

このブログで記載しましたが、先日第一回目の中小企業庁との意見交換会を実施し、

「金」「時間」「機会」の切り口で現状の課題とその対策案を提示しました。

 

なかでも「副業・兼業」の普及推進を重要事項として依頼しています。

その為には、企業にとってのメリットを訴求する必要があり、すでに導入済み企業に

勤める小野田さん、錦織さんのご協力を得て、以下のようにまとめました。

(ご協力ありがとうございました)

 

A)副業の時間を取るため、早く帰りたいので

 ・社員が効率よく働こうとする

 ・残業代が減る

 

B)副業で何かスキルや知識を身につけるので

 ・副業で得たスキルや知識や人脈が本業に活用できる

 ・社員により専門性を磨かせ、スキルアップさせることができる

 

C)労働の構造変化に対応したテレワークや副業OKが勤務先選定の条件になるので

 ・優秀な人材が採用しやすい、定着率がアップする

 

D)副業を申告させることで

 ・勝手な副業による企業イメージ、ブランド毀損を防ぐ

 

社会保険料や雇用保険料の負担のあり方など課題が多いのも事実なので

そのあたりの支援を依頼しています。

 

ご担当の濵田さまからも、副業・兼業の普及推進の他、実務機会のマッチングや

中小企業診断士制度の見直案が提示され同じ方向性であることがわかりました。

 

独立診断士と棲み分け・協力する事で自分たち診断士にとっても、中小企業にとっても、

政府にとってもメリットが出せる「中小企業診断士」でありたいと考えています。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海外のセミナーは「準備ほどほど、現場対応力が鍵」となる

2018-02-19 10:00:00 | 塾長からのメッセージ
こんにちは。塾長の鴨志田です。
今、ロシアに出張中です。「組織づくりと人材育成 ~選ばれる企業になるために~」というテーマで、アルハンゲリスク、バルナウル、オリョールの3都市で、講演をしています。最初の都市、アルハンゲリスクでのセミナーが終わりました。
※アルハンゲリスクは、天使の町という意味があり、人口約35万人、モスクワから北に1200kmのところに位置しており、白海にかなり近いところにあります

前夜の打ち合わせで、「造船業がこの町にはある」「観光政策にも力を入れている(インフラをどう活用するか?)」ということを知りました。さらに10時~17時の予定が、15時~19時(または20時)に変更になることも伝えられました。ところが、会場につくと、「15時から、3時間連続、休憩なしで対応できますか? 終わり時刻は18時を多少回ってもよい」と言われました。このように、海外(途上国や新興国など)でセミナーをするときは、常に、現場対応力が求められます。日本では、十分な情報が得られないまま、準備を進めます。海外でセミナーをする際のの私の方針は「ほどほどの準備と現場対応力」です。ガチガチに準備をしても、このように変更が生じたり、現地に来てから、いろいろな情報を得ることが多いので、組立てなおすこともしばしばです。

……ここで、セミナー開始です。
休憩なしで3時間、話しをする私は問題ないが、聞く側がつらいだろうし、受講生の集中力が続かないのではないかと日本側の関係者は心配していましたが、まずはチャレンジです。2時間が回ったあたりで、一部の受講生の方の疲れが見受けられました。

後半、どのように受講生のモチベーション維持をしたのか、下記に紹介します。

(1)ここで5分ほど、休憩をいれました。
実は、講義をしていて、こんな写真も皆さんに見せるとよいかもというひらめきが前半の講義の中でありました。その写真を取り出す時間が私にも欲しかったのです。

(2)再開後は、流れをがらりと変えました。少し、疲れが出始めた空気を変えることが狙いです。写真を沢山みせて、セミナーのテーマと結びつけるまとめに切り替えました。実は、前日の打ち合わせを受けて、朝のうちに、テキストスライドの他に、活用できるであろう写真だけを集めたスライドを準備しておきました。たとえば、以下の対応です。

・造船業がある
 ⇒ 先週、国内出張の際に視察した佐世保造船所の写真が使えそう!
・観光インフラの活用
 ⇒ 造船所を観光コースに組み込んだ観光ルートを走るバスに乗った体験談とそのバスの写真
 ⇒ 昨年秋の、燕三条の工場の祭典の写真、普段は閉鎖されている地域の工場が、一定期間観光インフラとして集客力を発揮し地域に経済効果をもたらしている話
・地域の資源は、見せ方次第で観光インフラとした活用できるほかの事例など

(3)最後のまとめは、ホスピタリティ
今年、ロシアでワールドカップが開催されます。国外からも多くの観客が見込まれます。それを前提に、ホスピタリティについても触れてほしいというリクエストが事前にありました。
「日本のホスピタリティをどう伝えるか」
 ⇒ バスツァーで和倉温泉加賀屋旅館に泊まった時の写真、仲居さんのお迎え/お見送り、支配人のお見送り
 ⇒ 旭山動物園が、どうして、日本一集客できる動物園になったのか、動物園に行った時の写真を見せながら説明
 ⇒ 茨城県の着物店が、移動着付車を設備投資して、海外からの観光客が和装で鹿島神宮をお参りするサービスを実現、着物店から観光サービス業への進出事例(過去に仕事で、同行したときの写真をお見せできました)

などなどです。

このようなホスピタリティを具現化する役割を担っているのは、組織で働く人達であり、お客様に喜んでいただけるサービスを提供できるのは、組織で大切にされ、育成されている証であると、やや、強引なまとめにしてしまいましたが……。

アルハンゲリスクでは、チェス祭りもあるとか、それなら、先月、将棋の町、山形県天童市に出張したので、将棋の駒を橋の欄干に取り付けて灯りとしている街づくりの写真も活用できそうと思いました。

海外でセミナーをするようになってから、カメラをいつも持ち歩く習慣がつきました。いつ、どこで、この写真が役にたつか分からないこと、文字情報より、ビジュアル情報が伝わりやすく関心ももってもらえることなどの効用があります。
過去の講演データや写真は、財産であり、常に、持ち歩いています。クラウドを活用するという手段もあると思います。私がfacebookでマメに発信するのは、1つは、地域情報を発信したいということもありますが、ある程度、撮った写真の整理にもなり、すぐに取り出しやすくなることが多いことも理由の一つです。最近は、スマホから発信することもありますが、原則、デジカメで撮った写真をディスクに整理して保存して、それを発信するようにしています。

これから、海外で活躍される方の参考になれば幸いです。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする