YOKOHAMA 24-07-04 / The Who (2004)
OSAKA 24-07-04 / The Who (2004)
2002年からThe Whoのライブツアーは公演がまとめて安価で正規発売されるようになり、全公演を集めたボックスも出た。もちろん全部合わせるとかなりの金額なので、どれくらいの人が手を出したのか知らないが、自分が行った公演、あるいは行きたかった公演のメモラビリアとしては最高の企画だろう。さすがにどのアーティストもこれをやる訳にはいかないだろうが、現在はほとんどの公演をデジタルで記録しているらしいからやろうと思えば出来る訳だ。
このザ・フーの2004年の来日公演は同様にTheMusic.Comが発売したもので、ザ・フーとしての初来日公演と言う意味で重要な作品だ。ただし、この公演は単独公演ではなく(単独公演での初来日は2008年まで待たねばならない)、日本の呼び屋最大手のウドー音楽事務所が企画したフェスティバル「THE ROCK ODYSSEY 2004」での公演だった。(日本のアーティストは別として)ものすごい面子ではあったが、自分は参加出来ず、悔しい思いをしたものだ。でも初来日がフェスって正直微妙で、セットリストは短いし、チケットは高いし、見たくないアーティストもいるし、時間が長いし、と最初からあまり行く気がしなかったのが正直な気持ちだった。あのザ・フーなのに!それがこうして公式音源で聴けるのは素晴らしい。
初日の横浜は暑かったと聞くが、こうしてCDを聴く限り、バンドの演奏は気合が入っているようだし、観客も楽しんでいるようだ。ロジャー(Roger Daltrey)のヴォーカルもまずまず。ジョン・エントウィッスル(John Entwistle)には間に合わなかった(02年死去)が、サポートメンバーは実力者ぞろいだし、雰囲気も壊していない。ところどころ演奏がもたつくのはフェスという会場だけに仕方がないだろうし、ジョンのあのベースラインをコピーしなかったのも仕方がないだろう(あえてそうしたのかな?)。あぁ、やっぱり行くべきだったかな…。もちろん見ないで後悔するよりは見て後悔しろっていうのはライブの鉄則なのは充分分かっていたのだが…。横浜ではアンコールでピート(Pete Townshend)が伝説のギター壊しを披露したのも話題になった(音だけでは少し分かりにくいけど、Disc2‐7に記録されております)。ザ・フーがジョンが亡くなった後も活動を続けたのにはびっくりしたが、何よりもライヴのクオリティ-を維持(向上?)したままだったのが凄かった。ピートは89年頃難聴でエレキギターを弾けないって言っていたのはなんだったんだろう? これはザック・スターキー(Zak Starkey)をはじめとするサポートメンバーの力量でもあるだろう。もちろんそれぞれの公演ではもたもたしたところも余すことなく収録されてしまっているが。
単独で来日した2008年の公演はもちろん行った。でもそのツアーだけなぜか公演のCDは発売されなかったんだよね…欲しかったのに(涙)。
オークションにて購入(¥1,159/枚)