Sweet Summer Sun (2CD+DVD) / The Rolling Stones (2013)
今年の7月にロンドンのハイド・パークで開催されたローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のライヴをDVDとCD2枚組で収録したデジパック盤。早々に音だけはiTunesから発売されていてゲットしていたし、更に映像とボーナス・ディスク等を収録した日本盤は既に10月に販売されていたけれど、色々あって買いそびれていたので、ちょっと遅れてコンパクトになって発売されたコレを購入。
昔ならストーンズ関係のオフィシャル作品やなんかは1年にひとつ出ればいいほうだったが、最近はアーカイヴ・シリーズといい、各種メディアを駆使して年にいくつも出るのでついていくのは大変だ。ファンとしてはうれしい事なんだけれど、ひとつの作品を繰り返し繰り返し、むさぼるように聴いたり、見たりしていた昔と違い、作品に対しての思い入れがどうしても弱くなってしまう。挙句の果てには「これ、持ってたっけ?」なんて事になるから困ったものだ。
作品は純粋にライヴ映像だけではなく、ちょっとしたドキュメンタリー要素も挟みつつ、50周年を迎えたストーンズの最新ライヴを堪能出来る作品になっている。最古参のバンドでありながら、常に新しいメディアやシステムを率先して採用してきたストーンズだけに、今回のリリースは割とオーソドックスな作品形態と言える。ステージ自体はやや窮屈そうだが、セットは森をイメージしたかのような豪華で面白いもので、さすがこういった面では相変わらずストーンズの右に出るものはいない。
終始ご機嫌なキース(Keith Richards)は、相変わらず手数は少なくなっているものの(笑)、存在感はやはり抜群。一時期はアルコール中毒で精彩を欠いていたロン・ウッド(Ron Wood)も元気そうだし、チャーリー(Charlie Watts)も変わらないように見える(72歳とかのはずだが…)。ミック(Mick Jagger)はもう超人としか言いようがない。ライヴでファルセットを使うのは随分難しいと思うがさらりとやってのけるし、歌いながら息も切らせず走り回る様は世の年寄り達を元気づけるどころか、自己嫌悪に陥らせるだろう。ゲストのミック・テイラー(Mick Taylor)はオリジナル・メンバーのスリムさ(キースの腹を除く)の前ではかなり醜いが、ツアー当初慣れずにぎこちなく見えた態度や演奏も、グラストンベリーやこのハイドパークでは随分こなれてきたように見える。
こんな爺さん達が一線で、しかも超一流(いわゆる昔を懐かしむドサ回り営業でない)のまま無数の様々な世代のオーディエンスを楽しませているんだから、最近の若いアーティストが小粒だと言われてもしかたがない。ある意味罪つくりなバンドだ。
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