小瀬(おぜ)の鵜飼も有名な岐阜県関市の、本町商店街にある「角鍬商店」へ。こちらは店の表にも書いてあるように「いかだばえ」(しらはえ=オイカワの佃煮)「蜂の子」などの佃煮を売る老舗。創業は江戸末期で現在5代目というから凄い。原材料は冷凍保存せず、季節のものを使い切り、製法も昔のままだという。店の前まで行くと老舗とはいっても建物は新しく、間口は広くないがシンプルで潔い凛とした空気がある(ちなみに向かいは人気の蕎麦屋「助六」)。思い切って暖簾をくぐると中にはショーケースがあるだけのすっきりとシンプルな店内。ガラスショーケースの中にあるものは箱入りのものばかりだったので量が多いかなと躊躇していたが、奥から出てきた女将に訊くと後ろに個別包装の品もあるとのこと。振り返ると細い棚にひっそりと並んでいた。中から「鮎の甘露煮」を選んで購入。
後から調べてみると「鮎の甘露煮」自体は30年程前からと、老舗にしては歴史が浅く意外だった。中サイズの鮎の甘露煮がそのままの姿でビニールで真空包装されており日持ちもする。そういえば今年の夏から秋にかけてはたくさん鮎の甘露煮をいただいた。和食店から戴いたり、知人の自家製を戴いたり。どれも材料は大して変わらない(たぶん)。もちろんそれぞれ味付けや口当たりの個性はある。こちらはさすがにそういった頂き物に比べると上品で、頭の部分も食べ易い。味付けは甘露煮としてはあっさりとしている方なので酒とぶつからない。この日は「菊正宗」の樽酒と合わせたが、ちょうどいい感じ。”わた”の苦味もしっかりと味わえて旨かった。次はやはり「いかだばえ」をと思うのだが、はえの佃煮(これも毎年知人に頂く)って味が濃くって、あまり減っていかないんだよなァ。(勘定は¥648/尾)
↓ 同じ本町通りにある「鈴木自転車店」(建築詳細不明)◇。これを看板建築と言っていいのか分からないが、角に面した2面は明らかに日本建築とは違う。
岐阜県関市本町8-36
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