Jelly Tones / Ken Ishii (1995)
90年代初頭といえばオルタナティヴ・ロック全盛。その頃自分の耳に”テクノ”という言葉が入ってきた。当時すでにロックとテクノロジーの融合を目指すダンサブルなバンド(ビースティーズやベックなど)は増えていたし、いろんなジャンルのアーティストがコラボするのは流行りでもあったが、自分の中で”テクノ”っていうとYMO辺りで止まっていたので、えらく古い呼び方を引っ張り出してきたもんだとすごく違和感があったのを覚えている。特にヨーロッパで盛んだった野外ロック・フェスでDJが客を踊らせるという形態が増えていったようだ。そんな中で日本人にも有名なDJが居ると知ったのがケン・イシイ(Ken Ishii)だった。早速このアルバム「Jelly Tones」を買ってみて「お、今のテクノってこういう事なんだ」と初めて理解。当時このアルバムはロック好きからもかなり評価されたんじゃなかったか。
なぜ急にこの古いアルバムを聴いたかというと、たまたまネットで音楽系のサイトを見ていた時に、久しぶりに彼のDJプレイの映像がやっていたから。驚きなのはあれから20年以上も経っているのに彼がまだ現役バリバリで、相変わらずヨーロッパを中心とするシーンではリスペクトされているということ。ジャンルがジャンルだけに生き残り競争も厳しいだろうがすごいことだ。このアルバムと99年の「Sleeping Madness」しか持っていなかったので、その間のアルバムやEPをまとめて購入したら、おまけでこのアルバムが付いてきた。懐かしー。
久しぶりに聴いてみたら「あれ?自分の持っているアルバムと何か違う…」。自分が所有していたのは輸入盤だったが、この日本盤は収録曲や曲順が若干違っていたのだった。全然知らなかった。冒頭からクールに、そしてグイグイ引き込む彼独自の音世界。感触がやはり外国人DJとは違っていて、何となく東洋風のテイストが混じっているように感じるのがかっこいい。なので収録曲「EXTRA」のPVのように「AKIRA」のような近未来の荒廃した東京というイメージがぴったり。余程古く感じるかなと思いきや、クールな音像は今でも全然違和感が無くカッコ良かった。
オークションにて購入(¥87)
- CD (1995/12/1)
- Disc : 1
- Label : ソニー・ミュージックレコーズ