
Delaney & Bonnie & Friends On Tour With Eric Clapton (2017)
デラニー(ディレイニー)&ボニーが「On Tour」と名付けて1970年に発売したライヴ・アルバム(ジャケ写真下)の拡大版4枚組。当初はライノ社(Rhino)のRhino Handmadeという数量限定のシリーズで2010年に発売され、豪華ボックス仕様で値段も高く、一般的な入手は難しかったが、今回購入したのは2017年に通常のプラケース入り4枚組で再発された廉価版。

こちらには1969年12月のRoyal Albert Hallのファースト・ショー、Colston Hallでのセカンド・ショー、そしてFairfield Hallsでの2つ、計4つのショーが収録されている。まずは何といってもこのツアーの参加メンバーに触れない訳にはいかない。
- デラニー・ブラムレット(Delaney Bramlett,Guitar & Vocals & Producer)
- ボニー・ブラムレット(Bonnie Bramlett, Vocals)
- エリック・クラプトン(Eric Clapton, Guitar&Vocals)
- デイヴ・メイソン(Dave Mason, Guitar)
- ジョージ・ハリスン(L'Angelo Misterioso, Guitar)
- カール・レイドル(Carl Radle, Bass)
- ジム・ゴードン(Jim Gordon, Drums)
- ボビー・ウィットロック(B. Whitlock, Organ&Vocals)
- テックス・ジョンソン(Tex Johnson, Congas)
- ボビー・キーズ(Bobby Keys, Saxophones)
- ジム・プライス(Jim Price, Trumpet)
- リタ・クーリッジ(Rita Coolidge, Vocals)
何ともスゴイ面々!そして更に、録音はグリン・ジョンズ(Glyn Johns)とアンディ・ジョンズ(Andy Johns)、プロデューサーはデラニーとジミー・ミラー(Jimmy Miller)というから、デラニー&ボニーに加えて”ストーンズ+ビートルズ+デレク&ドミノス+トラフィック”みたいなスーパー・バンドだ(※ドミノスの結成はこの後です)。元々はブラインド・フェイス(Blind Faith)のコンサートの前座だったデラニー&ボニーの音楽性にエリックが共鳴して、解散後にツアーに帯同したという感じらしいが、それだけにクリーム時代のようなピリピリと痺れるような演奏ではなく、あくまでバンドに寄り添ったダウン・トゥ・アースなギターを弾いているのが特徴。ジョージは正式にはクレジットされていないし、そのプレイを見付けるのは難しいが、この大物達がぜひ参加したいと思う特別な雰囲気が当時のデラニー&ボニー周辺にあったのだろう(ジョージ入りの同時期のライヴ映像はこちらで観ることが出来る)。
ダラダラと流して聴くには最高。すごく有名なヒット曲がある訳ではないデラニー&ボニーだけれど、こんなコンサート会場に居て、溢れ出る音に身を任すことが出来たら幸せな気分で居られること間違いなしだろう(とはいってもこういう音楽を心から楽しめるようになったのはオッサンになってからだが…)。このメンバーの内の多くが、次はレオン・ラッセル(Leon Russell)によって、ジョー・コッカー(Joe Cocker)を擁する「マッド・ドッグズ&イングリッシュ・メン」(Mad Dogs & English Men)に移行することになる。その後もエリックらのデレク&ドミノス、レオン、エリックやジョージのソロ、ストーンズのツアーなどに密接に関係しあっていくことになるのだ。そのどれもが聴き逃すことの出来ないロックの至宝なのだから堪らない。
ブックオフにて購入(¥1,950)
- CD (2017/6/16)
- Disc : 1
- Format: CD, Import
- Label :