愛知県の武豊町での近代建築散策。早めの昼食を「大豊食堂」で食べた後に寄ったのは、すぐ近くにある和菓子屋「菊乃屋菓舗」。古い店だとは思うが、店構えが新しいのでまだ建て直したばかりのようだ。店前の駐車場に車を停めて中へ。真新しい店内にはガラスショーケースの中に様々な菓子が。見た感じ饅頭が多いようだ。この辺りには”浦島太郎伝説”があるらしく、それにちなんだ史跡も多いらしい(ただし”浦島太郎伝説”は全国に数多存在し、諸説あります)。こちらの店ではその”浦島太郎伝説”にちなんだ菓子も多く作られていて、ずばり「龍宮饅頭」というものもあったのでそれと、故事にちなんだ「四海波」、命名由来不明の「イトカワ饅頭」の3種類を購入した。購入して店を出て、建物を見上げると屋根の上に”浦島太郎”を発見(写真最下段)。
帰ってから包みを開けていただく。「龍宮饅頭」は皮に”龍宮”の文字の焼印が付けてある。黄身餡で、東海地方の人ならば「なごやん」に似ていると言えば分かってもらえる傾向の味。「四海波」は能の有名な謡曲「高砂」に出てくるめでたい祝言の一説だが、この地の海岸に四海波という龍宮の入口と言われる場所があるのだとか(←調べた)。薄く軟らかいふわっとした生地であんこが包んである。牛乳がつかってあるようで優しい甘さ。「イトカワ饅頭」はやけに沢山置いてあったから買ったのだが、パッケージを見てもどんな由来の菓子かよく分からなかった。帰ってから調べると、あの一世を風靡した小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルが武豊町で展示されたことがあり、それにちなんで作られたよう。つまり「イトカワ」とはあの小惑星のこと。その小惑星の形を模した菓子なのだとか(笑)。粉を吹いたというかフライ物のような見かけの茶色の皮の中に黄身餡が入っている。皮や餡には味噌が使ってあるようだ。どうして武豊町で「はやぶさ」だったんだろう?(勘定は¥500程)
↓ 武豊町は味噌と醤油の醸造元が多いことでも有名。こちらは「泉万醸造株式会社」(建築詳細不明)◇。道路を挟んで設備が設置してあったりと両脇に醸造設備が建ち並ぶ。敷地内の日本家屋には洋館と見られる建物も隣接していた(写真下2、3枚目)。
↓ 江戸文政年間創業という「(合)伊藤商店」(建築詳細不明)◇。「傳右衛門」という銘柄の味噌やたまりを製造している。
↓ 細い路地の両脇に立ち並ぶ「南蔵商店」(建築詳細不明◇)の醸造設備。車1台通るのがやっとという路地に香ばしい香りが漂っている。武豊町にはかつて50もの醸造所があったのだとか(現在は8軒)。
↓ 路地を自転車で散策していると秋祭りの準備に町の男衆が集まっているのに出くわした。
↓ 247号線沿いに建つ「ユタカフーズ株式会社」の洋館(建築詳細不明)◇。かなりしっかりと補修整備されている。大きな建物で、何といっても隅切屋根の破風部分の意匠が目を引く。
↓ こちらも醸造元の建物「(合)中定商店」(建築詳細不明)◇。閉まっていて入れないやと思ったら、入口は路地を入った別の場所にあったようだ。残念。
菊乃屋菓舗
愛知県知多郡武豊町大字冨貴字外前田19-1
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