Every Move You Make : The Studio Recordings / The Police (2019)
完璧。駄作なし。ポリス(The Police)が発表した5枚のオリジナル・アルバムとアルバム未収録曲をまとめた1枚を含む6枚組CDボックス・セット。ファースト・アルバムが1978年、ラスト・アルバムが1983年だから、たった5年間の記録。もちろんアナログ盤(12インチ・シングル含む)で全部揃っているし、かつて1993年に「Message In A Box」(ジャケ写真下)というデジブック仕様4枚組で、B面などに収録されたライヴ音源も入った(ほぼ)全曲入りCDが発売されて、それも持っているから本来は必要ないボックス・セットだが、値段が安かったのでついポチっとしてしまった。
彼らを最初に聴いたのは1枚目と2枚目のアルバム。長兄のレコードだったと思うが小学生ながらよく聴いた(←マセガキ)。その頃には某地方Gテレビで夕方になぜかロックのPVが繰り返し繰り返し流れており、その中に彼らのクリップもあったと記憶している。当時はもちろんバックグラウンドなどは全く知らずに聴いていたので、レゲエを取り入れた音楽性とはいってもよく分かっておらず、自分で買ったラストの「Synchronicity」辺りで初めてどういうバンドなのかをちゃんと系統立てて把握することになった。”パンク”という括りで出てきた彼らだが、3人とも音楽的なキャリアはとうに確立されており、数多のパンク・バンドのようにその辺の街のあんちゃん達がバンドを組んだ訳ではなかったのだが、幸か不幸か”パンク&ニュー・ウェーヴ”という大きめの括りでは必ず入ってきた。
レゲエのリズムを取り入れた為、今でいう”文化の盗用”的な批判も多くあったと思う。でもそんな事言い始めたらクラッシュ(The Clash)らもそうなってしまうし、メジャーなバンドやアーティストもひとつの流行として多く取り上げられていたから言いがかりみたいなものだ(ストーンズなんて盗用しまくり・笑)。ただ彼らの場合、その取り入れ方が実に上手く、変幻自在でロックっぽくないスチュアート・コープランド(Stewart Copeland)のドラミング、プログレッシヴでドリーミーなディレイのかかったアンディ・サマーズ(Andy Summers)のギター、ハスキーでセクシーなスティング(Sting)のヴォーカルとシンプルながら意外と目立つベース。3ピースのそれぞれが抜群に個性的だった。メンバー間では様々な葛藤があったらしいが(特にスティングとコープランドの間で)、出来上がった作品はどれも素晴らしい。個人的には4枚目の「Ghost In The Machine」のヴォーカル・アレンジ等は気に入らないが、アルバム未収録曲でさえクオリティが高いのだから恐れ入る。唯一の汚点は86年に発表した再録音の「Don't Stand So Close To Me '86」ぐらいか(もちろんこのボックス・セットでは無視されている)。「De Do Do Do, De Da Da Da」の日本語ヴァージョンとスペイン語ヴァージョンは…、やっぱり入ってないや(笑)。
「デ・ドゥ、ドゥ、ドゥ、デ・ダァ、ダァ、ダァ・ハ・オレ・ノ・コトバ・サ!」
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- CD (2019/11/15)
- Disc : 6
- Format: CD, Import
- Label : A&M